年初3日間で占う年間相場 騰落“4%”が分岐点に

夕凪所長のイベント投資100% 連載


信用できるが、誤差もそれなり…

ことわざに「初めよければ終わりよし」というものがある。初めがうまくいけば物事が順調に進み、最後にはよい結果が得られる。だから最初が重要。というものである。

株式相場でいえば、最初の3日営業日くらいが重要ということであろうか。思い返してみるとリーマン・ショックが起った2008年。年明けからいきなり日経平均に記録的な下落が発生した。そこから幾分株価は持ち直したものの、秋にリーマン・ショックによって株価は壊滅的な大打撃を受けた。年始の大幅下落は、単なる悪夢の始まりにすぎなかったのだ。

日経平均 週足1年

日経平均 週足1年

その一方でアベノミクスによる大きな株価上昇が起きた今年。年明けから一気の上昇で始まり、その後に5月の大きな下落があったものの、そこからなんとか持ち直し、ここまでいい感じで株価が推移している。大幅下落が起きたリーマン・ショックの年、大幅上昇が起きたアベノミクスの今年、どちらも年明けの動向がその年の成績を決めたような値動きであった。

そこで今回、日経平均について最初の3日営業日の株価の上昇率と、その年の株価の上昇率について関連があるかどうか調べてみることにした。データ1991年から2012年の22年分(今年分はまだ終了していないので含まれない)である。

最初の3日営業日の上昇率は、前年の最終営業日の終値から3日営業日終了時点での株価の終値までの上昇率を指し、その年の上昇率は、前年の最終営業日の終値からその年の最終営業日の終値までの上昇率としている。

figグラフを見てみると、横軸の最初の3日営業日の上昇率が、縦軸のその年の上昇率をある程度決めているように見える。はっきり傾向が分かる部分は、最初の3日営業日で△4%を下回って大きく下落して始まると、その年での復活が難しくなる点である。また逆に4%を超える上昇で始まると(1度しかないが)、その年はいい年になる。

では全体的にどれくらい信用できるものなのかといえば、相関係数で0.33である。「最初の3日営業日によってある程度は信用してもいいけれど誤差もそれなりにある」といった感じの微妙な値である。1年間における価格変動を考慮すると、最初の3営業日から年間の株価動向を判断し、日経レバレッジETF(上場投信)を買いっぱなし、もしくは売りっぱなしといった投資戦略は危険すぎる。

効果的な使い方としては、最初の3営業日を見て4%を超えるような大幅上昇のときには積極的な買い戦略で臨む。△4%を下回る大幅下落のときはいつ何が起きてもいいように買いは慎重に行う。といったあたりであろうか。そこまでの値に到達しなかった場合、上昇で始まったら「今年は買いでいいことあるかも」、下落で始まったら「今年は売りでいいことあるかも」程度でいいだろう。ちなみに来年14年の3営業日目は1月8日である。この日の終値を注目したい。

こういった現象は説明がつかないアノマリーの一種である。こういったアノマリーを数多く知っていれば知っているほど、ほかの人よりも一歩先に出ることができる。このわずかな1歩の差が投資の世界では大きいのである。たかがアノマリー、されどアノマリーである。大切にしていきたい。

戻る