公募・売り出し戦略 その7 繁閑の季節性を意識して対応 値動きの癖の把握も必要に

JACK流「勝利の方程式」 連載


日ごろのデータチェックを

今回は、まとめも含めて、公募増資戦略にかかるポイントをいくつか掲載していきます。

まず公募増資にかかる日程というところに注目していきたいと思います。

表のとおり、公募増資のリリースがある月とない月の差は、過去4年間の統計を見ると、結構分かりやすい結果になっております。

過去4年間の月別公募増資実施銘柄数
2010年 11年 12年 13年
1月 5 5 4 5
2月 8 6 10 4
3月 11 23 5 21
4月 3 5 3 5
5月 1 1 0 5
6月 13 5 2 17
7月 5 6 6 18
8月 4 2 5 8
9月 8 7 4 21
10月 5 1 8 17
11月 2 5 3 7
12月 6 7 15 16
※受渡日ベース、11月25日現在

つまり、前回の証券会社についての話と合わせれば、受渡日の多い3月や12月といった時期を意識して逆算し、新規に口座を開設したり、手数料を落としたり、あるいは投資信託を購入したりして、その証券会社に貢献することで、大量獲得を狙うスキームとなります。

逆に言えば、5月のような閑散期においては、ほかの投資法でリターンを見いだすか、休むも相場ということになると思います。

また、REIT(不動産投信)の公募につきましては、決算発表後に公募増資のリリースをされるのが一般的ですから、そのあたりも留意しておいていただければと思います。

さらには、証券会社との交渉術といったところでは、獲得株数を増やすにあたって、人気のない公募株を引き受けたりして担当者に貢献することや、中には急病や急な出張などで連絡が取れなかったり目論見書の確認ができないキャンセルが生じた場合には、「いの一番」に連絡をしてもらうようにアピールするといったことも、多少なりとも効き目があると思っております。

次に、実際の公募株の値動きの癖として、公募価格割れでつなぎもしていない場合については、一般的には受渡日の寄り付きに最大の売り圧力がかかりますので、あえてそのタイミングでは売らずに、必ずその後の上昇やら反転局面で公募株を売却するスキームをお薦めいたします。もちろん、そこからさらに株価が下落する可能性もありますから、どこまでの損失を許容できるかというところは、おのおののリスク管理の範疇(はんちゅう)であり、メンタル面の要素も大きくなると思っております。

最後に、今年の公募株の値動きというか、獲得した公募株の戦略としては、1-3月はカラ売りやらつなぎをせずにそのまま受渡日に売却、4-7月は価格決定日翌日にはつなぎ売り、8-11月はどちらとも言えないというようなスキームが正解だったと思います。まさしく、相場の地合いにそのまま直結した値動きであったと思っております。

このあたりは、公募株の値動きという観点で、過去の銘柄の統計を取ることによって、今後の戦略の参考になることが多々ありますので、公募株を実際に獲得できなくても、株価の値動きだけはデータとしてチェックしておいた方が賢明だと思います。

私自身もつなぎ売りのタイミングの正解の確認とともに、どのような地合いのときに高額な逆日歩が付いたり、売り禁になるのか、あるいは公募増資をリリースしたにもかかわらず、公募増資が中止になったり、価格決定日の初日に公募価格が決定しないときはどのようなパターンが多いのかという、ある程度の傾向は把握しております。

もちろん、再現性の担保の絶対性はありませんが、優位性という面では、少なからず参考になることがありますので、公募株については必ず値動きや出来高だけはしっかりと確認して、統計をとることをぜひともお薦めするところです。

公募増資戦略シリーズは今回で完結といたしまして、来年からまた新たな戦略や手法を紹介していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

JACK(ジャック)とは…
個人投資家。バーテンダー、予備校講師、公務員、サラリーマンと多彩な職歴を歩む傍ら、IPO(新規公開株)で一気に長年の含み損を一掃し、1億円超の資産を築く。現在は、株式投資の大勝負やバブルのタイミングを待ちつつも、不動産投資やFXに開眼。寝る時間を惜しんで必殺技を模索中。株式・不動産を含むあらゆる投資領域において、今後どのような投資法を発掘するかが非常に注目されている投資家である。2012年3月30日、4冊目の投資書籍「サラリーマンの月収をらくらく20万増やす方法」(ごま書房新社・税込1,575円)発刊。
JACKのHP株式のブログ不動産とFXのブログを運営。
戻る