2つの税制改正」への対処法 12月相場反転の背景とは?!

夕凪所長のイベント投資100% 連載


NISA口座は優待株で

今年これからの個人投資家の動向が、いつも以上に注目されている。それは来年から始まるNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)と、同じく来年から始まる譲渡益に対する税金の増額という2つの改正のためである。どちらも年末に向けて株式の売り圧力になる。

NISAについては、毎年100万円までの非課税枠であるが、今保有している株式をそのまま移管することができない。保有している株と同じものを入れたい場合はいったん売却して、再度NISA口座で購入する必要があるのだ。

現在の保有口座での株式売却と、NISA口座での同じ株式の購入を同時に行うクロス取引によって移管することもできなくはない。しかしながら、今年であれば譲渡益の10%程度の税金で済むが、NISAが始まる来年では20%程度と倍増してしまう。

含み益がある銘柄についてはクロス取引ではなく、今年中にいったん売却し、来年に入ってからNISA口座で買うという行動に出やすい。

譲渡益に対する税金の増額については、今までの倍額を納めなければならないというのは心理面への影響がかなり大きくなる。今年なら税金が10万円で済むが、来年であれば20万円になる。今年に売るだけで10万円の節税になると思うと、節税売りが出やすくなるのは当然のことであろう。

では、これら2つの改正による株式の売り圧力はいつから始まるのであろうか。日経平均の年間推移がそのひとつの参考となるであろう。今年ばかりではなく、毎年のように節税取引と思える株価下落が起こっているからだ。たとえば、その年に譲渡益が出ている場合は、含み損銘柄を売って譲渡益を圧縮しようという心理が働く。逆に、その年に譲渡損が出ている場合は、含み益銘柄を売って譲渡損を消そうという心理が働くためである。

過去12年間 日経平均の推移

グラフは過去12年分の日経平均の年間推移である。毎年前年の大納会の終値を100%としている。9月末あたりから株価の下落が始まり11月下旬まで続いていることが分かる。ということは、今まさしく節税売りが出やすいときであり、それが11月下旬までは続きやすいということだ。

12月に入ると、それまでの相場の方向が変わり、株価上昇が始まる。論理的には12月末まで節税売りがあってもおかしくないのであるが、投資家は先回りが得意のようである。年末には、翌年に向けた株式の購入が始まっている。

以上のことを考慮すると、節税のための売りは11月末の大底を避けて、今すぐ行動するか、12月の上昇相場が始まってから行うのがよさそうである。買いは、11月下旬の大底を確認した後の上昇相場にうまく乗るのがいいであろう。

ちなみにNISA口座の最大の弱点と思えるのが譲渡損の扱いである。ほかの口座との損益通算ができず、かつ翌年以降への繰越控除もできない。含み損状態になると売るに売れず、資金が長期間拘束されてしまうことになる。そう考えるとNISA口座に入れる株式は損しにくい銘柄で行くべきのように思える。利益が見込まれやすいIPO(新規上場)当選狙いとか、長期間保有前提の株主優待株あたりがいいのではなかろうか。

夕凪所長とは…
証券界会社のプロも参考にしているサイト「ダントツ投資研究所」を主催。現在はフルタイムの個人投資家。株主優待投資を中心に読者の投資力向上を目指したメルマガ「夕凪所長の株主優待最新ニュース」も発行している。
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