公募・売り出し戦略 その4 ヘッジ売り手法の応用編 逆日歩や“売り禁”にも対応可

JACK流「勝利の方程式」 連載


売り買い両建てし、機敏に動く

今年前半の公募増資実施銘柄の株価推移は明らかに強く、獲得した公募株を、前回に掲載した手法で、つなぎ売りやら空売りといったヘッジをしようものなら、通常の買いと踏み上げで株価がさらに上昇をしてしまい、利益は計上しているにも関わらず(笑)、「早くつなぎすぎてしまった」とか、「そもそもつなぎ売りなどせず、受け渡し日までそのままホールドしていればよかった」という展開が、コストや手間を考慮しても多かったと思います。

何せ、法解釈の考え方というか、支店の方針があるのかもしれませんが、公募価格決定日以降のつなぎ売りや空売りをする顧客には、公募株を配分しないと明言している社もあります。そもそもの公募増資の応募を見合わせたこともあったくらいですから、本当にそのまま何も考えずにしていれば、知らない間に利益を計上できたという、ある意味素晴らしい地合いでした。

一方、ご承知のとおり、ここ最近の公募株につきましては、地合いが軟調なこともあって、希薄化以上に株価が下落する銘柄も多く、とてもじゃありませんが、つなぎ売りや空売りといったヘッジをしなくては、大変リスクがある投資となっていると考えられます。

しかし、そのつなぎ売りや空売りをする方が増え、株価が下落すればするほど、純粋に公募株を応募していない投資家の空売りも増える傾向が強いことから、制度信用での空売りは逆日歩も高くなり、最終的には売り禁(新規売り停止)という結果を招くこともあります。その場合の対応策を今回は掲載したいと思います(なお、売り禁ということですから、前提としてそもそも空売りができない公募増資株については活用できません)。

簡単に一言で言えば、空売りが積み上がってきた場合においては、思い切って両建てをするということになります。

つまり信用売りと信用買いを寄り付きなどのタイミングで同値で行い、ポジションをつくります。その場合において、最初に断っておりますが、そもそも売り建て分は公募価格との鞘で利益を計上できますが、買い建て分については、どこまで利益になるかわかりませんし、逆に粘って損失を計上するかもしれません。

しかし、冷静に考えてみれば、売り禁となれば、逆日歩狙いの買いと売り圧力が軽減されることから、受け渡し日までの間のどこかで上昇する可能性が高いケースが多々あります。

ですから、もしも、公募価格決定後の受渡日までの間に信用買いで損失を計上したとしても、公募獲得分の鞘の利益でトータルとしては、手数料ぐらいの損失で逃げ切れることが多いのが実情です。

ただ、この手法が法改正に対応しているかどうかを各証券会社に聞いたところ、回答はマチマチでありましたので、少しリスクは大きくなりますが、公募増資には応募をせずに、公募発表日から受け渡し日までの間の値動きで利益計上を狙った方が無難であると思っております。

個人的なイメージというか王道は、一般信用売りと制度信用買いのポジションを取り、売り禁になった日以後で、(繰り返しになりますが)売り圧力がなくなり株価が上昇する傾向が強いことから、そこで信用買いを外し、逆日歩含めたキャピタルを取ります。信用売りのポジションは、その前にある程度、利が乗っていれば、売り禁の前日に一般信用の売りを外す形になります。このあたりは予測になってしまうので、自信がなければ、一般的に株価の下落圧力がある受渡日の前日か、受渡日当日に外すのが経験上、利益を取りやすいパターンだと思っております。

今回は、少し横道にそれた投資手法だったかもしれませんが、得てして公募株においては、このような売り禁が発動されることもありますので、その場合においては、うまく信用売りと信用買いの両方で利益を取れるようチャレンジしていただければと思っております。

JACK(ジャック)とは…
個人投資家。バーテンダー、予備校講師、公務員、サラリーマンと多彩な職歴を歩む傍ら、IPO(新規公開株)で一気に長年の含み損を一掃し、1億円超の資産を築く。現在は、株式投資の大勝負やバブルのタイミングを待ちつつも、不動産投資やFXに開眼。寝る時間を惜しんで必殺技を模索中。株式・不動産を含むあらゆる投資領域において、今後どのような投資法を発掘するかが非常に注目されている投資家である。2012年3月30日、4冊目の投資書籍「サラリーマンの月収をらくらく20万増やす方法」(ごま書房新社・税込1,575円)発刊。
JACKのHP株式のブログ不動産とFXのブログを運営。
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