「自社株買い」便乗タイミングを探る 会社のヤル気は過去実績で判断

夕凪所長のイベント投資100% 連載


キヤノン、次のチャンス待つ

キヤノン(7751) 週足

キヤノン(7751) 週足

株式相場はオリンピック関連銘柄で大変なにぎわいを見せている。東証1部の流動性のある建設系の銘柄が、1日で10%以上も激しく上下する。買い手も売り手も、腕の見せ所であろう。

私は、そのような一流のトレーダーが集まりそうな銘柄には参加したくない。最初にうまくもうけることができたとしても、最終的には彼らにお金を巻き上げられてしまうのがオチである。自分の得意分野はイベント投資であり、それ以外の投資手法は勉強も経験も不足しているからだ。従って話題をオリンピックから切り離すこととしたい。

私が最近注目しているイベントに「自社株買い」がある。会社による買い需要が発生することから株価上昇が期待できるためである。ただこのイベントを狙うにあたり少々やっかいなことがある。自社株買いを発表しても実際には買わない会社が多いのだ。過去に自社株買いで本当に買っていた会社であれば、その後も買うことが多いので安心できる。初めての自社株買いの場合は、本当に買うのか、しばらく様子見がいいだろう。

この自社株買いで一番有名な会社はキヤノン(7751)であろう。株価が下がるたびに自社株買いを発表し、すぐに本当に買ってくるため、投資家からの賞賛を受けている会社である。2012年は合計3回行っている。今年は9月3日に発表を行ったばかり。今、まさしく自社株買いの途中であろうと思われる。

キヤノンの過去の自社株買い
発表日 開始日 終了日
1回目 2012年2月2日 2012年2月3日 2012年2月16日
2回目 2012年6月4日 2012年6月5日 2012年6月15日
3回目 2012年7月30日 2012年7月31日 2012年8月10日
今回 2013年9月3日 2013年9月4日

そこでキヤノンの自社株買いについて、どんなタイミングで売買すれば利益が出るのかを確かめてみたい。12年の過去3回分の自社株買いと今回について、株価の終値の推移をグラフにしてみた。市場の影響を排除するため、TOPIXをどれだけアウトパフォームしたかの数値である。横軸の0が発表日で、数値はその後の営業日数である。

昨年のキヤノンの自社株買いパターンは決まっていた。自社株買い発表後にすぐに買い始め、毎日ほぼ均等額を買い、数日のうちに予定額を買って終了するのである。昨年1回目が10日間。2回目と3回目は9日間で終了していた。今回も同じパターンではないかと思われる。

グラフから、発表後翌日に買って、6営業日目あたりに売ることによって、数パーセントの利益を得られることが分かる。ただここで少々気になるのが、1回目と今回は、はっきりとした株価上昇が見られないことである。これは一体なぜなのであろうか。推測するに、キヤノンの自社株買いに合わせて売っている大口の投資家がいるためではなかろうか。2回目と3回目の自社株買いのときは、1回目から期間が短かったこともあり、売る大口の投資家がいなかった。今回は3回目から日数が空いており、再び売る大口の投資家がいる状態ではなかろうか。

もしこの推測が当っているのであれば、今回の自社株買いで利益を出すのはあきらめである。後日、再び日数を空けずに自社株買いを発表したときがチャンスとなる。そのときを待つしかない。めげずに次回にチャレンジするのみである。

夕凪所長とは…
証券界会社のプロも参考にしているサイト「ダントツ投資研究所」を主催。現在はフルタイムの個人投資家。株主優待投資を中心に読者の投資力向上を目指したメルマガ「夕凪所長の株主優待最新ニュース」も発行している。
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