取材の現場から 安倍政権の抵抗勢力は自民幹事長!? 石破氏保有銘柄は…

取材の現場から 連載


安倍政権の誕生を控え、証券市場は期待感を高めている。期待の根拠は、金融緩和をはじめとする経済対策だが、例によって、「抵抗勢力」の反発も予想される。安倍政権の最強の抵抗勢力は、自民党を預かる石破茂幹事長だ。

防衛政策通で知られる石破幹事長は、実はばりばりの財政規律派。「私は消費税引き上げ論者」と言ってはばからない。安倍氏が掲げる「上げ潮(リフレ)政策」に対しても、「麻薬を打つと元気になるが中毒になる前に止めるからいい、という話にならないか」と懐疑的に語っていた。最近も、大胆な金融緩和策に対して、「極端な円安は決して日本経済に良いことではない」と釘を刺している。

そもそも財務省は、さらなる金融緩和を望んでいない。

「マネーの量が増えると、物価上昇の前にまず名目金利が急騰し、国債価格が暴落する。それにより国債発行のコストがかさみ、財政が音を上げる。これを財務省は嫌っている」(財務省OBの経済学者)

公共事業の積極展開も、財務省が望む財政健全化に反する政策だ。そんな財務省の後押しを得て、石破幹事長が安倍金融政策に待ったを掛ける可能性はある。

三井住友(8316) 日足

三井住友(8316) 日足

そもそも石破氏は、安倍氏のことを政策通ではないとみている。

例えば11月29日に安倍氏は講演で、尖閣防衛に関して、「今から(海上保安庁の巡視船増強のための)予算をつけても、船ができるのは2年後だから間に合わない。退役した自衛艦を海保に移し、即応予備自衛官を海保に編入させる必要がある」と述べた。が、専門筋はあきれている。

「まず、海自には即応予備自衛官はいない。また、海自の護衛艦の動力はガスタービンだが、海保はディーゼルなので、海保は海自の船を動かせない。誤った情報が世間に伝わると、安全保障政策が歪む」(海自関係者)

この件、石破氏に注進した人物によれば、「総裁の言っていることを、いちいち訂正するわけにはいかない」とこぼしていたという。得意なはずの防衛政策ですらこれだから、安倍氏の勉強不足を石破氏は懸念している。

安倍・石破両氏の関係で最大のネックは、総裁選での遺恨だとも言われている。

9月の総裁選で安倍陣営は、水面下で石破バッシングを展開していた。「石破は人権擁護法案に賛成だ」「外国人参政権に賛成だ」とネガティブキャンペーンを展開した。これを受け安倍支持のネット右翼らは自民党議員事務所にFAXを送り、「石破が売国奴だというチラシを作ったので、配ってほしい」と電話を入れるなどしていた。ちなみに石破氏は、外国人参政権には反対。人権擁護法案については、在日コリアの特権につながるような現法案には反対だが、人権擁護の法律自体には賛成という姿勢を取っている。

ニトリHD(9843) 日足

ニトリHD(9843) 日足

こうした陰湿な攻撃を受けたことで、総選挙後も石破陣営には安倍陣営に対する遺恨が残っている。当然、石破氏本人も安倍氏に対する思いはあるだろう。

という具合に、自民党ツートップの間には、政策的にも心情的にも大きな溝がある。これが安倍政策実施の障害になりえるとみられているわけだ。

ということで石破銘柄だが、ニトリホールディングス(9843)と子会社のニトリが計200万円の寄付を行っている。本人は三井銀行(三井住友フィナンシャルグループ・8316)の銀行マンだった。また石破氏が保有する株は、新日鐵住金(5401)、JFEホールディングス(5411)、三菱重工業(7011)、川崎重工業(7012)、東京急行電鉄(9005)、東京電力(9501)、関西電力(9503)。

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