知らないと怖い 不動産市場の裏 不動産を使った相続対策は有効か―配偶者税額軽減と小規模宅地等の減額特例が肝―

REIT


税制改正で相談件数増加中

マーケットは年始から軟調であったが、今週に入って幾分落ち着いている。一方で、先週発表された三鬼商事のオフィスビル市況を見ても募集賃料はそう変わらないものの、空室率は新築、中古ともに改善傾向を見せている。国債は日銀の買い入れにより、10年最長期国債利回り(長期金利)は過去最低を更新しており、0.2%程度まで低下してきた。これを受けて、不動産の利回りも低下は継続中で、日銀によるJ-REIT(不動産投信)の購入が行われている。結果的にJ-REITや現物の不動産を既に保有している投資家は、今月も特に何かをする必要はないだろう。

昨年12月の初めに上場した、積水ハウス・リート投資法人(3309)のインデックス買いは、12月末から順調に買い進められ、10%以上の上昇となった。最近のような市場全体が軟調な局面で、これだけのリターンを上げられるものはなかなかない。これからもJ-REITのインデックス買いは、忘れずに行いたい。次回は2月10日上場予定のケネディクス商業リート投資法人(3453)で、上手に乗っていきたい。年度末の株価調整もあるし、3月は忙しそうだ。

今年から相続税が少し変わったので、今回は不動産を使った相続対策に関して書いていく。この2年間、顧客サービスの一環として相続対策を粛々と行ってきた。例えば、遊休地に銀行借り入れを使ったアパートの建設、広大地評価を使った相続財産の評価減、小規模宅地等の減額特例、都心物件を中心とした収益物件の購入など、計5件行った。今年も既に、金融機関からの紹介で何人かの相談を受けており、順調にこなしていこうと思う。今回は、その中でも配偶者の税額の軽減および小規模宅地等の減額を使った相続対策に関して書きたい。

配偶者の税額の軽減とは、国税庁によると、「被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により、実際に取得した正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。(1)1億6,000万円または(2)配偶者の法定相続分相当額。この配偶者の税額軽減は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されることになっています。従って、相続税の申告期限までに分割されていない財産は税額軽減の対象になりません」とされる。さらに、小規模宅地等の減額は、今年になって一段と使えるようになった相続対策で、同様に国税庁によると「個人が、相続または遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等または被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額します。この特例を小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例といいます。なお、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係る贈与により取得した宅地等については、この特例の適用を受けることはできません」となっている。

税制が変わったので、追記すると、相続開始のあった日、つまり被相続人さんが亡くなられた日が、「昨年12月31日まで」と「今年1月1日以後」で、限度面積が異なる。(1) 相続の開始のあった日が「昨年12月31日まで」の場合は居住していた場合で、特定居住用宅地等に該当する場合には、240平方メートルまでその評価を80%まで減額できる。(2) 相続の開始のあった日が「今年1月1日以後」の場合には、これが330平方メートルまでその評価を80%まで減額できる。

さて、相続税は一次相続と二次相続の税金を合算した金額が一番少なくなるように遺産の分割方法を決めていくことが肝心であり、最も相続税対策になる。よく一次対策は配偶者の税額控除を使えるため、遺産をすべて配偶者に相続させることで、税金の支払いを減らしがちだ。しかし、多くの場合このような対応をしていると、二次相続の時に配偶者の税額控除を使えないために、結局多くの税金を支払うことになる。実際には相続税を支払うのに十分な現金が手元になく、大切な資産を処分して税金を支払うケースが多くある。都心の大きめの一戸建てが相続のために売られ、ミニ開発を含めた建て売りの物件になっていくのは、二次相続対策を一次相続の時からキチンとしていなかった場合が良くある。

こういうケースは街並みが悪くなるケースが多く、個人的には相続する側も、それを購入する業者もその後のことを考えて行動してほしいと思う。

2013年に小生が行った相続対策として、都心に100坪近い一戸建を持っており、旦那様と住んでいたが、旦那様が亡くなり、私に相談が来た案件だ。相談に来られた段階で、奥様が既述の配偶者の税額控除を使って、相続税を一円も払わずに相続をやり過ごそうとしていた。この場合、小規模宅地等の減額を行うことなく、相続税を支払う必要はなかった。しかし、それでは二次相続の時に相続税を支払うことになってしまうため、今回の一次相続の時に既述の小規模宅地等の特例を使い、当該遺産を奥様だけでなく、お子様との共有にし、奥様の持ち分に対して、配偶者の税額の軽減を行った。こうすることで、二次相続時には、奥様の持ち分をお子様に相続することになるため、当初の相続方法よりもトータルでの相続税の支払いが減る。

まとめると、ポイントとしては、税金が必ず発生する配偶者(この場合、奥様)以外の相続人から小規模宅地等の減額の特例を用いることが結果的に最も相続対策になった。今後この面積が緩和されたので、この傾向はもっと強まるものと思われる。さらに、この減額の特例を最も効果的に使うためには、遺産を極力共有で相続すること。これによりさらに評価を引き下げることができる。今後も面白い相続対策を上手に報告していきたい。

こういうケースは街並みが悪くなるケースが多く、個人的には相続する側も、それを購入する業者もその後のことを考えて行動してほしいと思う。

2013年に小生が行った相続対策として、都心に100坪近い一戸建を持っており、旦那様と住んでいたが、旦那様が亡くなり、私に相談が来た案件だ。相談に来られた段階で、奥様が既述の配偶者の税額控除を使って、相続税を一円も払わずに相続をやり過ごそうとしていた。この場合、小規模宅地等の減額を行うことなく、相続税を支払う必要はなかった。しかし、それでは二次相続の時に相続税を支払うことになってしまうため、今回の一次相続の時に既述の小規模宅地等の特例を使い、当該遺産を奥様だけでなく、お子様との共有にし、奥様の持ち分に対して、配偶者の税額の軽減を行った。こうすることで、二次相続時には、奥様の持ち分をお子様に相続することになるため、当初の相続方法よりもトータルでの相続税の支払いが減る。

まとめると、ポイントとしては、税金が必ず発生する配偶者(この場合、奥様)以外の相続人から小規模宅地等の減額の特例を用いることが結果的に最も相続対策になった。今後この面積が緩和されたので、この傾向はもっと強まるものと思われる。さらに、この減額の特例を最も効果的に使うためには、遺産を極力共有で相続すること。これによりさらに評価を引き下げることができる。今後も面白い相続対策を上手に報告していきたい。

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