知らないと怖い 不動産市場の裏 年末に向けて強い相場が続くか―FOMCとスコットランド投票を通過―

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J-REITは継続保有で

先週いっぱい、FOMC(米連邦公開市場委員会)に始まり、イギリスからの独立を問うスコットランド住民投票まで、いろいろあったが、結局は大きな波乱もなく、イベントを無事に通過したことから、週末にかけて円安も進展。それに合わせて株高も進みに進んだ。16-17日に開かれたFOMC会合後にFRB(米連邦準備制度理事会)議長から長い声明の発表が行われた。まとめると、資産購入が終了した後も、事実上のゼロ金利政策を「相当な期間」維持する方針をあらためて示している。さらに、将来的な出口戦略に関しても新たな指針も示した。FRB議長によると、「労働市場はまだ完全には回復していない」「職を得たくても見つけられない人がまだ多過ぎる」としており、さらに「インフレ率は委員会の目標である2%を下回っている」と結論付けている。ということは、今後も緩和を継続しつつ緩やかに出口戦略を、となる。これにより、金利誘導目標の2015年末時点の予想中央値は1.375%と、今年6月の予想1.125%から上方修正された。これにより、円安というよりも、世界的なドル高が生じた。ドルは円に対して、8月の102円から最終的に109円台中旬まで上昇し、日経平均も、やや遅れてではあるが年初来高値まで買い進まれた。今後も年末にかけて、ドル高が進みそうな雰囲気が漂っている。ほかの通貨はそれほど元気がなく、ドルのみ高くなっていきそうだ。そんな中、前週末のG20(主要20カ国)で、巨大金融機関、日本で言うメガバンクに対する規制強化策が議論されている。日本の3つのメガバンクを含む29の金融機関を対象に、19年以降、融資などの資産に対する広義の自己資本の最低比率を16-20%にする方向で検討中とされている。この比率を1%上げるために、数千億円から1兆円の資本が必要となりそう。結果的に、過去のようにメガバンクが一斉に公募増資となるのか、このニュースが出て、一斉にメガバンクが売られた。さらに、不動産などへの融資も絞られると連想され、不動産株も一時的に売られた。

J-REIT(不動産投信)市況を見てみると、6月に年初来高値を付け、その後も順調に値を上げている。13年の春先に付けた高値奪回に向けて着実に前進している。前週、一時的に、前述したメガバンクの自己資金問題の絡みで売られたものの、再度高値を取りにいっている。グラフの通り、三鬼商事が発表した8月までの空室率や募集賃料の推移を見ても、ともに順調に回復してきており、J-REIT指数が業績の裏付けを持って上昇していることが分かる。長期金利を見ても、8月末に大幅に下がった後に急上昇したが、ここ2-3日は調整している。今後、長期金利はどうなるのか。このあたりで停滞するようなら、J-REIT指数はファンダメンタルズ改善を加味し、かなり強い上昇が今後も見込まれそうだ。ちょこちょこ動かずに、まだまだ保有していて良さそうだ。投資法人個別の状況も、8月、9月と公募増資が続々と発表された。ホテル、物流、商業、オフィスとあらゆる用途で増資が行われており、非常にいい状態が続いている。イベント投資をするにしても、お金を寝かせることなく、大きく儲けることができそうだ。一方で、証券会社の友人によると、物件価格の高騰により、新規取得物件の利回りと保有物件の利回りの高低が調整できなくなってきており、下手をすると、公募増資による希薄化で、利回りの低下も懸念される。来年以降、今年のように増資を行うことは、なかなか難しい状態になりそうだ。今度は最も難しい内部成長が問われることになろう。

個別の不動産に関しては、上半期の締めである9月末に向けて融資が緩んでいる状態ではあるものの、こちらも物件の高騰が進んでおり、市場に投資適格の物件がかなり少ない。レインズには表面利回り2-3%の物件も見られ始めた。相続対策や、円安を絡めた海外との比較による、中国や台湾などの外国人ぐらいしか購入できない状態になりつつある。9月末以降、どのような価格で不動産が売り出されるのか楽しみだ。実物不動産も、まだまだ保有していて良さそうだ。

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