時価総額順位 ソフトバンクは昨年末12位→3位 内需健闘、中国関連不振
17日時点で時価総額3位に浮上して話題を呼んだソフトバンク(9984)は、18日も一時410円高(6.6%高)まで買われるなど上げ足を速め、4位・JTとの差をさらに広げた。時価総額で、なお3倍い大差のある、首位のトヨタ自動車はともかくとして、2位・三菱UFJまでなら、あと2割強に迫っている。ソフトバンクは17日で、昨年末からの株価倍増を果たしてきた。今後、同社が約3割出資する、話題の中国・電子商取引最大手・アリババ集団株式上場の正式発表や、買収先の米国携帯電話大手・スプリント再建の進展などが顕在化すれば、一気に2位に駆け上がっても不思議のないところか。
通信業界に地殻変動
銘柄 | コード | 昨年末順位 | |
---|---|---|---|
1 | トヨタ | 7203 | 1 |
2 | 三菱UFJ | 8306 | 2 |
3 | ソフトバンク | 9984 | 12 |
4 | JT | 2914 | 5 |
5 | ホンダ | 7267 | 3 |
6 | NTT | 9432 | 6 |
7 | 三井住友 | 8316 | 8 |
8 | NTTドコモ | 9437 | 4 |
9 | みずほ | 8411 | 10 |
10 | 日産自 | 7201 | 11 |
11 | KDDI | 9433 | 15 |
12 | キヤノン | 7751 | 7 |
13 | デンソー | 6902 | 17 |
14 | 菱地所 | 8802 | 14 |
15 | ファーストリテ | 9983 | 20 |
16 | 武田 | 4502 | 13 |
17 | ファナック | 6954 | 9 |
18 | 7&iHD | 3382 | 23 |
19 | JR東日本 | 9020 | 22 |
20 | 日立 | 6501 | 18 |
さて、そのソフトバンク、昨年末の時価総額順位を見ると、まだ12位にとどまっていた。昨年末と17日のベストテンを比較すると、同じ順位を保ったのは、前述の1、2位の他は6位のNTTだけ。未曾有のアベノミクス相場を経ただけに、上位陣の顔触れにも大きな変化が生じているようだ。表は、上位20銘柄の昨年末順位を見たもの。まず目に付くのは、通信業界の地殻変動。ソフトバンクが12位から3位、KDDIも15位から11位に浮上する一方で、“旧盟主”ドコモは4位から8位に凋落(ちょうらく)している。
総じて好調だったのは内需勝ち組銘柄で、ファーストリテが20位から15位、セブン&アイが23位から18位、JR東日本も22位から18位にランクアップした。表から漏れたが、ソフトバンク系のヤフーも32位から22位に向上。またメガバンク勢では、三菱UFJが2位をキープ。三井住友と、みずほFGが順位を1つずつ上げ、野村HDも26位から21位となるなど、やはり内需優位の傾向を裏付ける格好となった。
これに対し、一部自動車関係を除くと、輸出関連全般は退潮傾向にあり、キヤノンは7位から12位に後退。とりわけ不振だったのが中国関連で、ファナックが9位から17位に、コマツは24位から32位に後退した。ファナックは、同じ日経平均採用値がさ株であるソフトバンクやファーストリテが健闘する中で、低迷ぶりが浮き彫りとなっている。
時価総額順位は、今夏のTOPIX・コア30銘柄入れ替えの基準でもあるだけに(コア30は浮動株時価総額が対象)、ソフトバンク2位浮上の可否とともに、今後の動向が注目されてきそうだ。
掲載日時:2013/07/19 14:10
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