IPO社長会見 リプロセル(4978) iPS細胞関連は巨大市場

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横山周史社長

横山周史社長

「万能細胞」とも言われ、体中のさまざまな組織や細胞に変化する特性があるiPS細胞。このiPS細胞の関連技術を使い事業化している世界初の上場ベンチャーがリプロセル(4978・JQ)だ。「目の難病治療に向けiPS細胞を使った臨床研究を厚労委承認」というニュースも追い風に、上場2日目の27日も買い注文を集め、公募価格の5.47倍に当たる1万7,510円のカイ気配で終えた。上場当日の記者会見で横山周史社長は次のように語った。

横山社長は自社の強みと事業内容について、「iPS細胞を目的の細胞に、効率良く、純度良く、変化させる培養技術が当社の強み。現在、iPS細胞を各種細胞に変化させるための培養液をはじめとする研究試薬と、iPS細胞から作製した細胞製品を手掛ける」と説明。

売り上げの7割を占める培養液は、「(ノーベル賞受賞の)山中先生をはじめ、多くの日本の研究者に使っていただいている。今後は、日本に比べて先生方の研究予算が多く、市場規模の大きい海外にも市場を求めて成長を図りたい。米ボストンのほか、欧州にも拠点を作り、展開を加速させたい」

一方、昨年から売り上げが伸びてきている細胞製品については、「iPS細胞由来の『心筋細胞』『肝細胞』『神経細胞』『アルツハイマー病神経細胞』を手掛け、製薬会社に販売している。製薬会社はこれら細胞製品を薬の毒性検査や薬効評価に使用している。将来的に動物実験に代わるものとして細胞製品が使用され、置き換えが始まるだろう」という。

さらに「今後は製薬会社のニーズに応じ、特定の疾患を持った細胞などカスタマイズしたものを出していきたい。これにより、薬の開発期間の短縮や、今までできなかった新しい薬の開発につながる可能性がある。日本だけでなく、海外の製薬会社にも販売していくことがわれわれのミッションだ」と述べた。

来3月期に黒字転換、再来期から業績躍進

同社は上場当日、来3月期に黒字転換、再来期から売り上げ、利益ともに大きく伸びる見通しを示した。この背景については、「細胞製品が再来期から急速に立ち上がる見通し。日米欧企業が集まるコンソーシアムでiPS細胞から作製した細胞製品が薬の評価に使えるか評価する動きがあり、2年程度の評価期間を経て、3年後ぐらいから製薬会社がルーチンで使い始めるようになるとみていることも背景の1つ」と説明。

将来的には「テーラーメード医療、再生医療などにも広げていきたい。まだアイデア段階だが、皮膚からiPS細胞を作り、個人に合った薬の開発を支援したい」という横山社長。

「海外にいくつかライバル企業があるが、当社には技術的優位性と安定した実績がある。iPS細胞活用市場は、将来的にかなり巨大な市場を形成すると認識している。IPO(新規上場)は新たな第一歩。国内外のさまざまなお客さまにサービスを提供し、夢の実現に向かって邁進(まいしん)したい」と決意を語った。

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