取材の現場から オリンパスに被害回復給付金? 発見された資産22億円の行方は

個別 取材の現場から 連載


 

オリンパス(7733) 週足

オリンパス(7733) 週足

オリンパス(7733)事件が新展開。損失隠しのコンサルを担った元証券マンら3人がリヒテンシュタインなどに隠匿していた資産22億円が見つかり、東京地検特捜部は6月11日、組織犯罪処罰法違反で再逮捕した。この日は「特設注意市場銘柄」の解除日でもあったが、オリンパスにとっては、再逮捕の方が「朗報」なのだ。

「オリンパス事件の捜査はとっくに終結していたと思っていたので、各メディアはノーマークだった。いずれにせよ検察は、証拠改竄(かいざん)などで失墜した特捜部の信頼回復の起爆剤として、この事件の成果を世間にアピールしていく意欲を見せている」(司法クラブ記者)。

この手の事件では、巻き上げられた資金がどこかに消えてしまっていることが多く、犯人は刑期を終えた後、隠しておいた多額の資産をこっそりと手にし、〝南の島〟で悠々自適な生活を送る――。こんなことがまかり通っていたといわれる。いつも歯がゆい思いをしていたが、今回はそうはいかなかった。「巨悪は眠らせない」という特捜部のキャッチフレーズを地で行く成果ともいえる。

組織犯罪処罰法での逮捕ということは、容疑者が隠匿していた資金は、同法に基づき没収できる。そして、没収した資金は、被害回復給付金支給法により被害者に返還される。

ということは、22億円がオリンパスに支給されるかもしれない?! オリンパスの売上高は約8500億円なので、22億円は小さな額ではない。相当大きな特別利益になる。

ただ、この事件はそもそも、オリンパスが損失隠しを企てたことから始まるもの。もちろん、それを進めたのは菊川元社長ら旧経営陣で、彼らには7月に判決が言い渡される予定だ。だから、オリンパス自身が被害者だとも考えられる。でも、庶民からすればモヤモヤ感はぬぐえない。

この辺、どのように判断されるかは、前例がないので展開は不透明だ。裁判の中で、被害者をどう位置付けるか、会社が被害者になれるかなども争点になるとみられる。オリンパスとしては、ぜひ検察に頑張っていただき、没収資金の返還につなげたいところだろう。

なお同事件では、昨年12月にFBIに摘発されたチャン容疑者や旧ジェイ・ブリッジの関係者が「本筋」と一部で報道されていたが、「7月に特捜部長などの人事が控えているので、そこまで事件を広げないようだ」(前出・記者)と伝えられる。

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