「配当政策」に選別の芽 具体的基準の提示企業は

個別


2013年度から配当方針に
具体的な数値目標を掲げた企業
企業名(コード) 利回り
あおぞら(8304) 5.0%
グリー(3632) 3.2%
日梱包(9072) 2.7%
CTC(4739) 2.7%
JAL(9201) 2.6%
日立建機(6305) 2.3%
キリンHD(2503) 2.3%
トヨタ(7203) 2.3%
丸井G(8252) 2.0%
大気社(1979) 2.0%
ソニーFH(8729) 1.7%
コナミ(9766) 1.5%
JPX(8697) 1.0%
小田急(9007) 0.9%
※大和証券調べ

先のトヨタなどを皮切りに、既に株主総会シーズン入り。19日にJAL、20日にはソニーなどの開催も予定され、企業ガバナンスへの関心が向かいやすいタイミングと言えるが、外国人投資家などに最も嫌われるのは、(使い道のない)キャッシュを漫然と抱え込んでいる企業だ。配当や自社株買いなどを通じた株主への資金返還要求も高まりやすい。その点では、株主に具体的な数値基準を明示して、積極的な配当を実施している企業などは、もっと見直しの目が向けられていい。

大和証券はこのほど、TOPIX500採用銘柄を対象に「配当方針調査」を実施。17日付のストラテジーメモにまとめている。「毎年、今ぐらいの時期に実施している」(大和証券・鈴木政博シニアクオンツアナリスト)もので、「配当性向」や「株主資本配当率(DOE)」などによる具体的な数値目標を設定している企業は196社(昨年比10社増)に達した。

もちろん、単に目標を出せばいいというわけではない。実際、昨年の数値目標提示企業全体のパフォーマンスは、TOPIX500を下回った。そして、過去の例に照らして、良好なパフォーマンスが期待できるのは、「数値目標を提示していて、かつ配当利回りの高い銘柄」(鈴木氏)とされている。昨今の高利回り株なら、不安定地合い下での下値安定性も手掛かりとなりそうだ。

レポートでは特に、配当利回りが2.5%を超え、かつ今来期増益見通しの31銘柄を“有望銘柄”としてピックアップしている。中で配当利回りが4%を超えるものは、大東建託(1878)武田薬品(4502)ネットワンシステムズ(7518)三井物産(8031)。3.5%以上なら、旭硝子(5201)SANKYO(6417)中国電力(9504)三菱商事(8058)リョーサン(8140)ユニーグループHD(8270)も加わる。

ちなみに、ネットワンは、不祥事による株安で結果的に高利回りとなった側面は否めず、中国電は減配余地も指摘される。もっとも、それ以外の顔触れはおおむね順当で、「意外性」の観点からは、物足りなさが残る。

ここでは、今年度から新たに数値目標を設定した銘柄に注目してみたい(表の14銘柄)。新規上場(再上場)のJAL(9201)を除くと、いずれも2012年度には数値目標の記載が見られない。

具体的な目標提示に至った背景としては、「連結配当性向30%」の目安を掲げたトヨタのように「業績が回復してきたことが大きいが、IR(投資家向け広報)姿勢の高まりも反映されている」(鈴木氏)とのこと。そして、これらの銘柄群の中でも、「比較的配当利回りの高いものが注目される」(同)ようだ。

表の銘柄の上位で、日本梱包運輸倉庫(9072)=連結配当性向20%程度=は、外国人持ち株比率が昨年9月末の32.5%から今年3月末には36.0%と“3分の1ライン”を突破。今回の目標設定にも、こうしたプレッシャーを感じる部分があったのかもしれない。同様に、近年徐々に外国人持ち株比率を高めてきた大気社(1979)=連結配当性向30%=も、この半年で15.6%から18.8%に急増している。

公的資金完済が視野にはいった、あおぞら銀行(8304)=連結配当性向40%=なども含めて、「配当政策」面からの評価余地も想定されてこよう。

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