Mr.009の新興市場 需給好転銘柄に照準 アイティメディアとプロネクサス

個別 概況


当面の中小型株市場は需給整理が一巡するタイミングを待ちながら、引き続き神経質な展開となりそうだ。急落によって中小型株の需給環境は大きく悪化し、個人投資家のマインドも悪化しているとみられ、積極的に押し目を拾う動きは限定的となる可能性がある。売買代金も膨らむセリング・クライマックスは見られておらず、需給整理には時間を要する印象がある。今回は需給がそもそも良い、好転の兆しが見られる好業績銘柄アイティメディア(2148・東マ)プロネクサス(7893)を紹介したい。

ITM(2148) 週足

ITM(2148) 週足

アイティメディア(2148)は、ソフトバンク(9984)グループのメディア部門の中核を担う企業群の1つである。自社インターネットサイトを通じて、IT・経済情報を中心にニュースや解説記事を配信するほか、記事投稿・購買支援など双方向型のサイトも運営しており、いわばインターネットを媒体とした専門メディアといえる。大きな特長は、インターネットならではの特性を生かしたビジネスモデルを作り出している点にある。自社の運営する情報サイトに企業からの広告を掲載し、その広告収入を主な収入源としている点は多くのほかのニュースサイトと同じ。しかし、ただ広告を掲載するだけでなく、広告出稿企業に営業見込み客情報を提供するという付加サービスを提供している。大手業界紙に匹敵する記者・編集者ネットワークを確保して質の高い記事を配信し、閲覧ページ数(ページビュー)や収益を拡大させている。2013年3月期は売上高が3期連続して増加したほか、営業利益と経常利益は2ケタの大幅増となった。14年3月期も増収増益を目指し、営業利益と経常利益は前期比40%以上の増加を計画している。また、16年3月期までの今後3カ年の経営イメージとして、08年3月期に記録した営業最高益5億7500万円を超えるとの目標を打ち出している。さらに、この3カ年の経営目標を実現するため、役員と従業員に業績コミットメント型のストックオプションを導入した。同社では事業基盤の充実が進み、実際に業績が回復、初の配当も発表し、さらにストックオプションの実施で全社一丸となって目標の達成を目指せる状況にある。そのような状況下におけるPBR(株価純資産倍率)1倍割れは注目される可能性が高い。

プロネクサス(7893) 週足

プロネクサス(7893) 週足

プロネクサス(7893)は主に、上場企業のディスクロージャー・IR支援を手掛けている。有価証券報告書でのシェアは54.8%、株主総会招集通知でのシェアは52.4%といずれも国内トップである。13年3月期決算は、売上高が前期比1.4%増、営業利益が同8.4%増、経常利益が同11.3%増と5期ぶりの増収、2期連続の増益となった。証券市場の好転や為替市場での円安転換を受け、同社の顧客である上場企業を取り巻く経営環境が大幅に改善。同社の事業環境も大きく好転しつつある。14年3月期も売上高で前期比2.6%増、営業利益で同9.5%増と連続増収増益を見込んでいる。今後は、金融庁が提供する上場企業の電子開示システム「EDINET(エディネット)」について、次世代版の導入が14年1月に迫っている。同社はこの次世代EDINETに対応する顧客向け開示支援システムを手掛けており、今回のバージョンアップを機に商品差別化によるシェアアップを描いている。「アベノミクス」効果もあって株式市場は久しぶりの活況を呈しており、投信やJ―REIT(不動産投信)市場の拡大も追い風となる。収益アップサイドへの材料がそろってきた印象があろう。また、今期末の配当(年間18円を予定)と合わせて総還元性向は106.7%と2年連続して100%を超える見込みであり、株主還元についても積極的だ。

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