「いぶし銀」特別版  急落後の“余震”やむなし  優良株シフトが鮮明に 

個別 概況


トヨタ(7203) 月足

トヨタ(7203) 月足

銘柄選定には政策期待色濃く

昨秋来、快進撃を続けるアベノミクス相場に訪れた最初の試練。一連の波乱展開に、いかに対処すべきなのか。ここでは、復権著しい個人投資家と最前線で接する、地方証券担当者の相場観に耳を傾けてみたい。

各社への聞き取り調査を実施したのは、相場が続伸に転じていた28日から29日にかけて。ひとまず安堵(あんど)のムードが広がる中、日経平均の当面の下値として「1万4,000円」を挙げる声が多かったが、これは市場関係者に共通する思いだったろう。もっとも、「もう一度“余震”が来るかも」(中泉証券)との不安も、やはり共有されており、もっと踏み込んで、「急落の後だけに、しばらくは調整もやむなし。下値メドは1万3,300円か」(益茂証券)との声も聞かれた。

これは急落前日の22日高値1万5,627円から、約15%安となる水準。30日の下放れを経ても、なお下げ余地を残すわけだが、ここで止まるなら、値幅調整の7、8合目に差し掛かってきたということになる。

相場の水準論はともかく、今後の物色の流れはどうなるのか。「株式投資のリスクをあらためて考えさせられた投資家も多いと思われる中では、好業績株を狙いたい」(八幡証券)との見方から、優良株中心に票を集めたのが、今回の注目銘柄の特徴。個別で、複数証券の支持を受けた銘柄はトヨタ自動車(7203)のみにとどまるが、ほかにも、デンソー、コマツ、ファナック、東京海上、富士フイルムなど、各社で、いつになく主力級銘柄を推す動きが広がった。底流として、日米長期金利上昇を受けた、「金融相場から業績相場への過渡期」(長野証券)との位置付けも反映されているようだ。

「上げピッチが早過ぎた」(八十二証券)短期急騰劇の反動である今回の急落を、「頭を冷やすにはいいキッカケ」(新林証券)と見なすなら、ファンダメンタルズ重視の流れは相場の健全化にも貢献することになる。

一方で、もちろん個人好みの新興市場銘柄も健在。政策関連の側面では、「政府の成長戦略の中で女性の社会進出が取り上げられており、注目度が増す」(野畑証券)としてトレンダーズ(6069・東マ)が取り上げられ、「24日に閣議決定された薬事法改正案で、再生医療の新たな定義付けが行われ、症例が少なくとも早期承認の道筋ができた」(丸近証券)として、遺伝子治療薬関連としてアンジェスMG(4563・東マ)タカラバイオ(4974・東マ)も登場。

新興銘柄ではないが、マイナンバー関連としてNTTデータ(9613)を挙げた新大垣証券、規制緩和関連としてイー・ギャランティ(8771)を掲げた六和証券など、「政策」を切り口にした銘柄選定が主流をなすあたり、アベノミクスの先行きに対する期待の根強さが表れているとも言えそうだ。

地方証券会社の注目銘柄一覧(29日取材)
本店所在地 証券会社 参考銘柄
岐阜県 新大垣証券 NTTデータ(9613)デンソー(6902)
長野県 長野証券 ファナック(6954)トヨタ自動車(7203)
長野県 八十二証券 東京海上HD(8766)住友ゴム工業(5110)
静岡県 中泉証券 富士フイルムHD(4901)サンリオ(8136)
愛知県 野畑証券 Itbook(3742・東マ)トレンダーズ(6069・東マ)
福井市 益茂証券 トヨタ自動車(7203)JPHD(2749)
富山市 新林証券 コマツ(6301)ワコム(6727)
京都府 丸近証券 アンジェスMG(4563・東マ)タカラバイオ(4974・東マ)
京都府 六和証券 カイオム(4583・東マ)イーギャランティ(8771)
広島市 八幡証券 横河電機(6841)日本電子(6951)
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