取材の現場から 今年も「お台場学園祭」強行? 得するのは電通

個別 取材の現場から 連載


電通(4324) 週足

電通(4324) 週足

11月、東京モーターショーが行われる。その盛り上げを図るため、「お台場学園祭」なるイベントを開催するべく、現在水面下で調整が行われている(イベント名変更も検討中)。

お台場学園祭は、昨年本欄でも紹介したが、日本自動車工業会が自動車ファンのすそ野を広げるためにお台場で行ったイベント。昨年は、元AKB48の前田敦子とテリー伊藤のトークショーなども行い、38万人が集まったという。

その割には、このイベントを記憶している人は少ないだろう。それもそのはずで、38万人は、その期間にお台場に行った人数。等身大ガンダムを見に行った人もカウントされている。

「お台場学園祭は、ファッションショーやドッグランなど自動車以外の複数の催しが実施されたので、どれが学園祭なのかも分からない。情報発信としては失敗で、自動車業界内では大不評だった」(大手自動車メーカー関係者)。

そんなイベントを、なぜまたやるのか。トヨタ(7203)が推進しているからだという。

「現会長が豊田章男社長なので、モーターショーは何としても成功させねばならない。そこでトヨタは、カネを掛けてでも事前盛り上げを図ろうとしている」(前出・関係者)。

今回のモーターショーは、10月に行われる電機業界の見本市「シーテック・ジャパン」と「ITS国際会議」と連携することになっている。3イベントで共同PRや合同シンポジウムを行い、周知を図って行くわけだ。しかし、ITS会議は10月18日までで、モーターショーまで1カ月空いてしまう。そこで、モーターショーが忘れ去られないように、お台場学園祭を行うというわけだ。

しかし、PR効果のほどは心もとない。昨年のお台場学園祭にはフジテレビ(フジ・メディア・ホールディングス/4676)も主催者としてかかわったが、ニュースやワイドショーで同イベントはほとんど紹介されなかった。視聴率も取れない地味なイベントに番組の時間を割けないというわけだ。

そんなイベントでモーターショーの盛り上げができるわけがないと、トヨタ以外の自動車メーカーは憤っている。「宣伝予算の抱負なトヨタが、他社の宣伝費を無駄遣いさせる戦略なのではないか」という憶測も出ている。実際、お台場学園祭をやれば各社、モーターショー予算の一部をそちらに回さねばならない。

結局、昨年同様、イベントの企画・運営を受注する予定の電通(4324)がもうかるだけになるのだろうといわれている。

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