特報 ゲオが2ケタ営業減益(上場来4回目) レンタル2強のバトルは新ステージに

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ゲオHD(2681) 週足

ゲオHD(2681) 週足

5月9日、ゲオホールディングス(2681)の2013年3月期決算が発表された。

結果は、売上高がほぼ前期比横ばいの2,592億円だったが、営業利益は12.8%減の159億円。00年12月の上場以来、営業減益は02年3月期、07年3月期、09年3月期の合計3回経験しているが、2ケタ単位の営業減益は02年3月期以来だ。

売上高は横ばいで売上総利益率は前期比並みの42.7%なので、原因は販管費の増加ということになる。13年3月期は小売り部門の出店がゲオショップ直営店で72、リサイクルのセカンドストリートの直営が25。出店コストを吸収できなかったことになるので、結局は売り上げが足りなかったということだろう。

実際、1年前に公表した13年3月期の期初計画は、売上高は2,630億円、営業利益は185億円、当期純利益は90億円だったから、売上高で60億円近いショートだったことになる。

さらに細かく見ていくと、レンタル、中古販売双方の伸び悩みにたどりつく。中古販売では0.5%の増収ながら、2.2%の売上総利益増だが、レンタルでは0.8%の増収で売上総利益は7,500万円減。

レンタルの価格競争力で集客を図り、レンタル需要のみならず中古品にも誘導し、レンタル、中古の双方の増収で利益を確保するのがゲオのビジネスモデルだ。ライバルのCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)がFC(フランチャイズ)主体であるのに対し、ゲオは直営が中心なので、価格コントロールは効かせやすい。

09年7月に旧作DVDのレンタルでゲオが100円攻勢を開始して以降、CCCとの熾烈(しれつ)な価格競争が続き、2強以下の中小レンタル店が脱落。2強の寡占化と消耗戦が続いている。

だが、現場の熾烈さとは裏腹に、ゲオの決算は好調そのものだった。10年に子会社化したリユースのセカンドストリートの貢献もあり、売上総利益率は低価格競争突入後の方がむしろ上昇傾向にある。

一方、CCCはというと、11年にMBO(経営陣による買収)によって非公開化されてしまったので、数字が把握できるのは11年3月期が最後だが、06年3月期に売上高でゲオに逆転を許し、最終赤字も05年3月期、06年3月期と2期続いた。

05年3月期の赤字は買収子会社ののれん償却が原因であり、06年3月期は大幅な出店増で営業利益が前期比75%増と大幅に増えたのに、買収子会社ののれんの一括償却が続き、最終損益は312億円もの赤字になった。ただ、ゲオとの価格競争激化後に売上総利益率が向上している点はゲオと同じだ。

ゲオの14年3月期業績予想は、出店数はほぼ前期並みレベルの90店が前提のためか、売上高は1.4%増の2,630億円と、ほぼ従来通りの増収ペースだが、営業損益は3割減の107億円と、大幅な減益を予想している。

TSUTAYA独占タイトルなどで、CCCは単価の引き上げ戦略に打って出ているが、残念ながらその効果を数字で確認する術がない。

レンタル業界2強のバトルは新たなステージに移行したといえるだろう。ゲオ復活の「次の矢」に注目だ。

ゲオ、CCCの業績推移

ゲオ、CCCの業績推移

著者紹介 伊藤 歩(いとう あゆみ)
ノンバンク、外資系金融機関など複数の企業で融資、不良債権回収、金融商品の販売を手掛けた経験を持つ金融ジャーナリスト。主な著書に「TOB阻止 完全対応マニュアル」(財界展望新社刊)
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