隠れた農業強化関連 鳥獣被害対策で浮上 日亜鋼業、前田工繊など

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日亜鋼業(5658) 週足

日亜鋼業(5658) 週足

近年、中山間地域を中心に鳥獣被害が深刻だ。これらは集落の過疎化・高齢化による人間活動の低下、えさ場や隠れ場所となる耕作放棄地の増加、狩猟者の減少や高齢化などが影響していると考えられている。

野生鳥獣による農作物への年間被害額はおよそ200億円で、その6割が獣類、4割が鳥類によるものであり、獣類では9割がシカ、イノシシ、サルによるものとなっている。シカやイノシシは繁殖力が強い一方、狩猟者の減少や高齢化、動物保護の観点で駆除数が決まっていることもあり個体数は増加している。

また、鳥獣被害で生産意欲が低下し、耕作放棄地が増加、さらなる被害を招くという悪循環が生じており、被害額として数字に表れる以上の影響を及ぼしている。さらにドングリが不作の年には、農地や民家近くに出没したクマに遭遇した農業者や地域住民が襲われるケースも発生し、住民の生活にまで影響を及ぼす問題となっている。

こうした中、一昨年から農水省が鳥獣害対策費を予算化するなど、対策に本腰を入れており、今年度予算も昨年度と同様に高水準となる見通し。さらに、このほどまとめられた「自民・農業公約素案」に「鳥獣対策強化で農産物被害の激減を図る」との文言が盛り込まれたこともあり、鳥獣対策関連への注目度が今後高まるとみられている。

鳥獣対策フェンスでは、日亜鋼業(5658)前田工繊(7821)が業界の2強。

前田工繊のIR担当によると、「これまでは田畑を柵で囲っていたが、北海道で300kmに渡りフェンスを張り巡らせるという手法で対策に乗り出す町も出てくるなど、町全体を柵で囲む動きが出てきており、柵の総延長拡大に伴い足元でも需要が伸びている。対策を終えていないエリアはまだまだ多いとみられ、対策費の予算化も背景に引き続き好調に推移しそうだ」という。このほか、同社では電牧線(田畑の周りにワイヤーを張り電流を流して侵入を防ぐ)、シカなどの侵入防止に効果的なネットなども手掛ける。

主力の土木資材も復旧・除染工事などの進展に伴い好調。今9月期業績は計画上ブレの可能性も指摘され、押し目買い対応で良さそうだ。

一方、日亜鋼業も低PBR(株価純資産倍率)を手掛かりに水準訂正が続くとみられる。

このほか、国内唯一の猟銃メーカー、ミロク(7983・大証2部)も関連株に挙げられる。第1四半期(11-1月)は、猟銃事業が米国での銃規制強化前の駆け込み需要もあり計画に比べ好調。自動車関連事業も、主力の木製ハンドル搭載車種の販売堅調に加え、竹製ハンドルも加わったこともあり計画を上回ったようもよう。

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