取材の現場から 交際費減税効果350億円の行方 「木曽路」から「ぐるなび」まで

個別 取材の現場から 連載


木曽路(8160) 週足

木曽路(8160) 週足

日銀による大胆な金融緩和がスタート。続くアベノミクス「第二の矢」では、財政出動を行う。その中に、「交際費」の緩和がある。

交際費の経費計上は、中小企業(資本金1億円以下)だけに600万円を上限に認められている。その限度額を800万円に引き上げる税制改正法案が今、国会で審議されている。

アベノミクス絡みの税制改正では、新規雇用した企業に、増加雇用者1人当たりの控除額を20万円から40万円に引き上げる改正がある。雇用促進税制なので、景気回復に直結すると期待されている。だが財務省の試算では、雇用減税による歳入減は年間30億円。一方、交際費減税の方は350億円を見込んでいる。減税額は10倍以上。交際費減税には、これだけの効果があると財務省は予想している。

300億円ものお金が新たに接待に使われるなら、木曽路(8160)ひらまつ(2764)一六堂(3366)ダイナック(2675・2部)などに流れるだろう。ところが、まだデフレ経済は依然進行中。そんな簡単に中小企業が高級店に行くとは考え難い。となれば、コロワイド(7616)三光マーケティングフーズ(2762・2部)ワタミ(7522)テンアライド(8207)での飲み会ならあり得るかもしれない。

しかし、実は2006年改正で、1人当たり5,000円以内なら交際費ではなく、会議費として処理してよいことになった。この規定があるので、チェーン居酒屋クラスの店なら交際費ではなく、会議費に計上できる。だとしたら、居酒屋での交際費が増えることはなさそうだ。

ところが、現実はそんな単純ではない。

「国税が企業の税務調査に入る際、5,000円以下の飲食代をピンポイントでチェックするケースが増えている。実際、1人で2万円使ったのに、4人で使ったことにして処理するようなケースが横行しているようで、国税は使ったお店にレシート提出を求めるなどして捜査している」(国税OBの税理士)

このケースで違法行為が発覚すれば、重加算税35%の対象になり、国税“収益”を上げられる。それを見越して調査を強化している。

そうした企業であれば、今回の交際費上限緩和法案が通れば、堂々と飲食代を必要経費に計上できるようになる。安い居酒屋にもチャンスはありそうだ。

中小企業が交際費をバンバン使うようになれば、飲食店経営以外にも、ぐるなび(2440)テンポスバスターズ(2751・JQ)にもプラスになるだろう。

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