物色人気シフトの季節  「PBR」から「PER」へ PER9倍のニッパツなど

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ニッパツ(5991) 日足

ニッパツ(5991) 日足

今月下旬にかけて本格化する3月期本決算発表を視野に、物色動向の変化を唱える声が生じている。「PBR(株価純資産倍率)からPERへ」の流れだ。

みずほ証券の今週のストラテジーウイークリーは、「昨年末・年始の低ROE(自己資本利益率)&低PBR株のリターンリバーサルは一巡した」と指摘する。これまで極端な低評価に甘んじてきた銘柄群ほど、戻りの勢いが目立ったわけだが、昨今の相場状況(アベノミクス相場)を抜きにしても、年末年始を挟んでの低PBR株反騰劇は、毎年の“恒例行事”と言ってもいい。

年後半に節税売りやポジション調整の売りを浴びた反動によるもので、決算発表シーズン入りとともに、PERやROEといった収益系指標へと評価軸が切り替わるのも例年の傾向だ。

大和証券の橋本純一シニアクオンツアナリストによると、「4月下旬から夏場にかけてはPERなどのファクターが効きやすくなる」とのこと。

こうした認識は、アナリストなどにも共有されている様子で、野村証券の27日付小売セクターレポートにも、「バリュエーションも資産価値(PBR)から収益価値(PER)に注目が移行する局面」といった記述が見られる。

ちょうど全般調整局面にあり、ここは、比較出遅れ感を残す低PER&高ROE株をじっくり仕込むチャンスとみることもできるだろう。

表は、冒頭で紹介した、みずほ証券レポートでスクリーニングした銘柄群から抜粋したもの。(1)時価総額1,000億円以上、(2)PER15倍以下、(3)2013年度予想ROE15%以上、(4)予想ROEの改善幅が3%以上、(5)13年度純利益が増益予想――などが選定基準。

これら低PER&高ROE株は、季節習性からの追い風に加え、「株主への高いリターンと、グローバル比較でのバリュエーションの割安感が求められる米国投資家」など、外国人の評価が高いこともポイントとなる。

表の20銘柄の中で、2日は、ロシアの大規模プラント建設受注の報じられた日揮(1963)の逆行高が注目を集めているが、ここではむしろ、短期的に調整色を強めるニッパツ(5991)に注目したい。

決算発表を控えたタイミングながら、JPモルガン証券は1日付で、今14年3月期の業績予想を上方修正し、目標株価も990円から1,080円に引き上げてきた。中国・湖北のシート新工場不振を織り込む一方で、北米、タイ工場で補って余りある拡大が見込まれるためだ。

ほかにも、例えばイズミ(8273)と飯田産業(8880)は外国人持ち株比率が10%足らずとまだ低く、買い増し余力も想定される。また、物色の圏外に放置されてきたDeNA(2432)は、昨年末比で約10%前後の下落となっており、キッカケ次第で見直し人気が向かう可能性を残す。日野自動車(7205)、富士重工業(7270)の自動車関連は、既に大幅高を遂げたとはいえ、ROEの改善幅の大きさは、ファンダメンタルズ面での魅力を支えている。

主な低PER・高ROE銘柄
銘柄 コード PER ROE 13年度純利益
丸紅 8002 5.9倍 24.6% +5.0%
サイバー 4751・東マ 7.5倍 39.3% +70.1%
DeNA 2432 8.4倍 49.6% +2.7%
アコム 8572 9.1倍 18.2% +10.6%
JR東海 9022 9.4倍 16.4% +11.3%
一建設 3268・JQ 9.5倍 28.8% +2.0%
興銀リース 8425 9.5倍 16.0% +16.5%
ニッパツ 5991 9.6倍 16.1% +19.0%
ダイハツ 7262 10.3倍 18.8% +3.8%
イズミ 8273 10.6倍 15.1% +3.0%
飯田産業 8880 10.6倍 21.1% +51.8%
カプコン 9697 10.8倍 16.0% +46.2%
ネクソン 3659 11.1倍 20.7% +41.7%
住友ゴム 5110 11.5倍 18.2% +1.5%
大東建託 1878 11.6倍 37.2% +9.4%
日野自動車 7205 11.9倍 23.4% +16.7%
日本ペイント 4612 12.0倍 15.3% +26.8%
富士重工業 7270 12.2倍 21.1% +25.0%
日揮 1963 12.5倍 17.2% +8.7%
ABCマート 2670 13.1倍 22.4% +10.8%
(出所:みずほ証券エクイティ調査部)
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