トップインタビュー アンジェスMG(4536) 山田英代表取締役社長

インタビュー 個別


山田英代表取締役社長

山田英代表取締役社長

収益黒字化に道筋
年央に一大転機が到来

創薬ベンチャーのアンジェスMG(4563・東マ)が今12月期に大きなターニングポイントを迎える。「海外に通じる新薬を日本で作る信念の下、2002年9月上場からの10年間は、開発データの蓄積時期となった。今年は創薬企業として『開花の直前』となる」と語る山田英代表取締役社長(写真)。新薬の開発状況とともにアンジェスMGの今後をインタビューした。

収益の土台「アロベクチン」

転移性メラノーマの遺伝子治療薬「アロベクチン」(米バイカル社との共同開発)のフェーズⅢの結果がいよいよ今年の半ばごろに出て、2014年度末から15年明けにFDA(米食品医薬品局)承認を得る計画だ。FDAからは事前にSPA(特別プロトコール査定)を取得していることから迅速な審査に入ることができる。悪性黒色腫のメラノーマ疾患の患者に切望されるアロベクチンは米国で500億円、欧米合計で1,000億円の市場規模が推定される。先行品があるものの副作用の問題等が報告されている。2015年から市場に出ると当社は売り上げに応じたロイヤルティー収入が見込め、当社の赤字経営の解消につながる。日本を含むアジアでの開発権・販売権も擁しており、これが今後の会社収益の土台になる。

アンジェスMG(4563) 週足

アンジェスMG(4563) 週足

「コラテジェン」など有望新薬続く

アロベクチンと平行して推進しているのが自社開発の虚血性疾患治療剤「コラテジェン」だ。コラテジェンもSPAを取得しており、今年中に北米を皮切りに欧州、ブラジルなどで国際共同第Ⅲ相臨床試験を進める。また、昨年10月には田辺三菱製薬と米国独占販売の契約を締結した。当社ではコラテジェンの市場規模を北米だけで1,000億円規模と見込んでいるが、米国市場は実際5,000億円規模の大きさだ。競合他社がなく、リンパ浮腫治療薬としての適応拡大という強みもあり、欧州でのパートナー探しも進展し先行投資の話もある。このほか、塩野義製薬と提携したアトピー性皮膚炎治療薬「NF-κBデゴイオリゴ」は今年から本格臨床入する予定。日本発でマーケットの大きい新薬を手掛けて行きたい。

資金・陣容・情報

3月払い込みの夢真ホールディングスなどへの第三者割当増資の実施で当面の運転資金は確保された。また、経営合理化策を実施中であり、固定費の削減が見込まれる。さらに、大口の投資案件の話も頂いており開発資金面での懸念はない。当社の創業者である大阪大学森下竜一教授は政府の規制改革会議委員に就任することもあり、今回取締役を退任したが引き続き外部パートナーとして当社のアドバイザー的な役割を果たしてもらう。また、私自身は上場バイオベンチャーなど20数社が参加する日本バイオテク協議会の会長を務め、定期的に情報交換を行っている。

政策追い風で新ステージへ

安倍政権がヘルスケア産業を成長戦略として掲げ、厚生労働省もバイオを育成産業として意識し始めているようで、業界としてはいい方向に向かい始めている。年間で見て承認される新薬は米国で20から30であるのに対して日本は1ケタにとどまる状況を打破してもらいたい。先行投資のステージから遺伝子治療薬アロベクチンで近い将来の黒字化が見えてきた中、新しいアンジェスMGを投資家の方々にアピールしていきたい。

戻る