enish(3667) 12月11日、東証マザーズに新規上場

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12月は久々のIPOラッシュ。とりわけ物色人気を集めそうな3銘柄がある。まずは12月11日上場のenish(3667・東マ)を取り上げる。

得意分野は経営シミュレーションゲーム

enish(エニッシュ)は、さまざまな企業がSNS(交流サイト)プラットフォームにゲームを供給できるようになった“SNSのオープン化”とほぼ同じタイミングで、ヤフー出身者によって2009年に設立された。

ソーシャルゲームのメーカーとして、現在、自社開発ゲーム6本をグリー、モバゲー、mixiなどのSNSプラットフォームを通じて顧客に届けている。得意分野は経営シミュレーションゲームで、カテゴリーキラーとして圧倒的地位を確立している。

タイトル別では、料理店の経営シミュレーションゲーム「ぼくのレストランⅡ」と、アパレルショップの経営シミュレーションゲーム「ガルショ☆」が主力。この2タイトルで売上高の8割を占める(今第3・四半期累計実績)。最近はカードバトルゲーム「ドラゴンタクティス」が急激に伸び、足元の月間売上高は「ガルショ☆」を上回ろうかという勢い。

来期からスマホ向けゲームアプリ配信開始へ

今後のソーシャルゲーム業界について同社は、「国内中心→海外展開」「SNSプラットフォーム→アップルのAppStoreやグーグルのGooglePlayなどOS提供業者のプラットフォーム」に変化するとみており、資本力やM&A(企業合併・買収)戦略も重要になると認識している。

中で同社は、ユーザーの継続性がもともと高い経営シミュレーションゲームを強化する。来12月期からAppStoreやGooglePlay向けゲームアプリの配信も始める考え。英語版など海外向けの開発も検討している。

今期計画は保守的

今12月期計画に対する第3・四半期までの進ちょく率は8割に及ぶ。第4・四半期の利益圧迫要因はあるものの、保守的計画をポリシーとしていることも勘案すると、計画上ブレの可能性も。

来期は従業員を大幅増員し、4本の新作ゲーム投入を予定。スマートフォン(高機能携帯電話、スマホ)向けアプリは費用先行で利益貢献は再来期以降となりそうだが、今期投入のカードバトルゲームや、今月末投入の新作ゲームの利益貢献により増益基調が続くとみられる。

ブックビル「強気」

想定発行価格(780円)から算出した時価総額は19億円、市場からの資金吸収額は最大9億7400万円、PER4・8倍。同業のIPO銘柄と比べ、小粒さ&割安感が際立つ。

ロックアップは、経営陣と第2位株主のグリーなど上位6株主に掛かり、「上場から180日目」or「公開価格比2倍以上」で解除。ロックアップ対象株数は、上場に伴う売り出し後で、株式138万株(想定発行価格ベースで11億円弱)、新株予約権69万株相当(同5億円超)。

一方、ロックアップ対象者外の株主は全員、株券ではなく、新株予約権で保有しているが、その数は5万8000株相当にすぎない。

ロックアップ対象外の売り圧力はほとんど無視できるレベル。ロックアップ対象分も売り出しで一部放出した企業株主と経営陣のみで、既存株主の売却による需給悪化リスクは低いとみられる。ブックビルディングには「強気」。

概 要
事業内容 インターネットを通じたソーシャルアプリの企画・開発・提供
本社 東京都渋谷区広尾1-13-1
代表者 杉山全功
設立 2009年2月
上場前資本金 1億542万7,000円
発行済株式数(上場時) 247万6,400株
筆頭株主 Kii(24%)
売買単位 100株
公募株式数 50,000株
売出株式数 1,040,000株(オーバーアロットメント 159,000株)
初値 2,500円(公開価格の3.1倍)
公開価格 800円
ブックビル仮条件 760円~800円
ブックビル期間 11月22日~11月29日
引受証券 大和(主幹事)、いちよし、みずほ、エイチ・エス、東海東京、髙木、SBI、SMBC日興
業績推移
売上高 経常利益 1株利益 配当
2010/12 415百万円 71百万円 821円
2011/12 2,590百万円 523百万円 2,956円
2012/12予定 3,985百万円 581百万円 162円

※2012年9月に1株を20株に分割

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