“アジアパイル”の構築を目指す ジャパンパイル(5288) 黒瀬晃社長に聞く 

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黒瀬晃社長

黒瀬晃社長

建物の構造を地中からしっかりと支える杭基礎。その建設工事では業界首位級のジャパンパイル(5288)。2005年にジオトップなどコンクリート構造物3社の経営統合によって誕生したが、その後の工場統廃合で効率的な生産体制を確立する一方、培ってきた経験と技術を基に設計、工事管理業務にも展開、総合的基礎建設会社としての評価を獲得。国内市場が縮小する中でシェア拡大に成功している。震災復興、国土強靭化の波は追い風。アジアに向けて新しい成長戦略を描く黒瀬晃社長(写真)に聞いてみた。

拡大基調続き、来期も高成長

――1月末に発表された13年3月期第3四半期(12年4-12月)の決算は売上高387億円(前年同期比9%増)、営業利益14億9300万円(同2.5倍)と極めて好調だった。それにもかかわらず、通期見通しを従来計画そのままに据え置いたため、例えば営業利益の第3-四半期までの進捗(しんちょく)率は87%にも達している。これは、慎重すぎないか。

黒瀬 地面を掘り起こすのが仕事のため、例年、冬場の1-3月は北の地方を中心に工事が停滞する。昨年もそうだった。通期の見通しを据え置いたのは「不確定」という意味だ。しかし、大手ゼネコンからの受注状況などを見ると、手応えは決して悪くない。基本的に拡大基調が続いているとみてほしい。さらに、来期も高い伸びが期待できるだろう。

――震災復興に加え、国土強靭化を狙った公共事業の追加など、環境面で追い風が吹く。

黒瀬 確かに、復興関連需要がジワジワと出てきている感じはする。しかし、経営的にそうしたものに頼ることはない。ま、眼中にない、といっていいだろう。

――新しいビジネスモデルの構築に成功しつつある、と聞く。

黒瀬 当社は150人の工事管理人を、それも正社員として抱えている。これほどの人員を配置した基礎建設会社はない。リーマン・ショック後の厳しい時期でも人材教育を実施してきたし、設計から施工に至るまでの過程を体系化。マニュアルとして確立することに尽力してきた。そのため、当社の設計・施工・管理能力について、大手ゼネコンからの信頼も高まってきた。それが、足元での業績変化に表れているのだろう。わが社のステージは「成長」へと移りつつある。

――確かに、コンクリートパイルの出荷シェアで見ると、10年3月期下半期の15.9%が13年3月期上半期21.2%まで向上している。

黒瀬 建設需要の減少が国内市場の大きな流れ。中で、シェア拡大こそが差別化の鍵になる。それも価格面での競争を仕掛けているわけではなく、当社が質の高い仕事が出来るからこそ受注が自然に増える、という点に注目して欲しい。

――今後の成長市場として、アジアに目を向けている。

黒瀬 ベトナムで現地のコンクリートパイル最大手企業と提携した。2月には出資比率を49%まで高めたので、この先、東南アジアの市場をも視野に入れて関連事業を本格展開したい。現地でのコストの低い生産体制に当社の高い技術力を融合させれば、ビジネスとして成功できるだろう。昨年の公募増資で資金調達しており、今年は“アジアパイル”の構築を目指し、成長戦略に磨きをかけていきたい。

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