IPO社長会見 シリコンスタジオ(3907) ゲームの市場拡大・高品質化追い風

IPO 個別 社長会見


寺田健彦社長

寺田健彦社長

シリコンスタジオ(3907)が2月23日、マザーズに新規上場した。同社は世界最高レベルのリアルタイム3DCG技術を核にさまざまな技術を開発し、ゲーム業界をサポートしている。公開価格比2倍の9,900円で初値を形成した。上場当日の記者会見で同社の寺田健彦社長=写真=は次のように語った。

軌跡…営業開始は2000年。ソニーのプレステ2発売年で、CG技術に対する関心が高まり、ゲーム会社にノウハウを提供する中で、さまざまなビジネスチャンスがあることに気づき、クリエイター派遣・紹介業とゲームの受託開発も始めた。10年のグリーのオープン化を機に自社開発ゲームもスタート。当時リリースした「三国志カードバトル」のヒットで業界内での知名度が上がり、その後、順調に業績を拡大してきた。前14年11月期の売り上げ構成比は、主にゲーム会社を支援する事業が45.2%、自社開発ゲームは45.7%、クリエイター派遣・紹介9.1%。

部門別概況(1)…支援事業は3つに分かれる。1つは、ゲーム開発に必要な技術をパッケージ化したミドルウエアの開発・販売。主な製品はゲーム開発に必要なツールを網羅した「オロチ」、高度な光学表現を可能にする「エビス」、極めて実写に近い映像表現を可能にする「ミズチ」(今年発売開始)。エビスはあまり競合製品がなく、米映像制作会社のピクサーも採用している。2つ目はオンラインゲーム用ネットワークインフラの構築と運用で、オンラインゲーム台頭により安定収入と高利益率を実現している。3つ目はゲームの受託開発で、代表作は「BRAVELY DEFAULT」(全世界で111万本販売)。

部門別概況(2)…自社開発ゲームは数多く出すのではなく、1本1本狙って出していく。代表作は「逆襲のファンタジカ」(世界764万ダウンロード)。今期は数本出す方向で開発を進めており、これまでにないパズルゲーム「ワンダーブロック」を2月中にリリース予定。クリエイター派遣・紹介は高いマッチング率が特徴。

強み…米SGIをルーツとする技術者集団で、リアルタイムグラフィックスで世界最高レベルの技術を持つこと。ゲーム制作に必要なリソースをワンストップで提供できること。収益源もBtoB、BtoCの両方あり多様──の3点が強み。

成長戦略…対象市場拡大による顧客数拡大と、商材拡充による1顧客当たりの売り上げ拡大の両面で成長を目指す。ミドルウエアは現状、顧客の9割が国内企業であり、国内より大きく手つかずとなっている海外市場を開拓していく。1顧客当たりの売り上げに向けては、スマートフォン(スマホ)ゲームを簡単に開発でき、素早くリリースできるスマホ用ミドルウエアや、出資先の米GET.IT社が米国で「スーパーセル」などを顧客に抱え展開しているアドテクサービスを日本で展開する。スマホ用は現在、無償提供中で、来期以降の収益化を考えている。

<記者の目>
ゲームの世界市場拡大・高品質化を追い風とする銘柄。ミドルウエアの海外展開は、ゲーム会社のほか、映画など映像関連企業からの採用も期待される「ミズチ」と「エビス」、スマホ用が核に。(3月2-6日に)米国で開かれるゲーム開発者向け展示会「ゲームデベロッパーズカンファレンス」に出展するとのこと。なお、寺田社長は「日本で食べていけるためか、ゲーム業界も最近、ガラパゴス化が進んでいるが、市場は海外の方が大きくなるので当社は早めに出ていく」と。

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