IPO社長会見 ファーストロジック(6037) 投資用不動産市場は成長余地大

IPO 個別 社長会見


坂口直大社長

坂口直大社長

ファーストロジック(6037)が2月18日にマザーズに新規上場した。同社は、投資用不動産を買いたい人と、物件情報を持つ不動産会社をマッチングする、投資用不動産に特化したポータルサイト「楽待」を運営している。公開価格を52%上回る2,700円で初値を付けた。上場当日の記者会見で坂口直大社長=写真=は次のように語った。

起業の経緯…システム開発会社でシステムエンジニア(SE)として従事していた時、「SE35歳定年説」を現実的に感じ、大家業に着目。大家業・不動産投資に関心を持つ人は多いのに、不動産情報が富裕層などでやり取りされていることから、そのギャップをインターネットで埋めればビジネスになるのではと考え、起業した。

収益源(1)…1物件当たり月1,000円を広告掲載料として不動産会社から頂いている。現在、不動産会社の1,400店が加盟し、3万5,000件の物件を掲載している。掲載物件数は業界で圧倒的ナンバーワンで、2番手に倍の差をつけている。

収益源(2)…もう1つは、日米で特許を持つ独自サービス。投資家は購入したい物件の条件を登録し、不動産会社は匿名化された登録情報などを見て投資家に提案できるもので、インターネットに掲載しないでほしいという物件も扱える。こちらは不動産会社から月10万円の利用料を頂いており、現在180店近くが利用している。

成長戦略…「1加盟店当たりの単価(現在4万円)上昇」と「加盟店数の拡大」で成長を目指す。また、大家さん専門のリフォーム広告モデル「大家の味方」(仮称)を今期中に立ち上げ、来期からの業績貢献を目指す。海外展開については3年後をメドに始めたい。現地の投資家と現地の不動産会社をマッチングさせる、日本と同じビジネスモデルを考えている。

拡大余地…日本には、投資用不動産といえる賃貸住宅が2,000万戸あり、その1%(=20万戸)が売買マーケットに流れる。これに対し、現状の掲載物件数は3万5,000件にとどまる。加盟店も不動産会社の店舗数(20万店)を考えると拡大余地が大きい。足元では住宅がなかなか動かないため、不動産会社の間で投資用不動産の仲介に参入する動きがある。「重要事項説明の電子化」も追い風になる。来年から個人向け売買でも適用されるとみており、当社サイトが利用されるシーンが増えてこよう。

株主還元…市場成長が著しいため、当面は市場をとっていくことに注力し、業績を上げ株価を上げることで株主に報いたい。配当は3―5年先という話ではなく、なるべく早いタイミングで行いたい。投資家からは利益成長率や利益率(売上高経常利益率が約50%)、高い業界シェア(現在40%超)を維持している点などを評価いただいたと考えている。

<記者の目>
投資用不動産市場は賃貸用や住宅用と異なり、もともと相対で成り立ってきた市場のためネット化が遅れている。中で、同社は市場を切り開いており注目される。なお、楽待の強みの1つとして坂口社長は「弁護士ドットコム(6027・東マ)メドピア(6095・東マ)のように、優良な会員(現在4万人)を囲い込んでいる」点を挙げていた。(本紙2月20日付2面)

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