日本精密(7771) 成長織り込む展開へ

個別 平野憲一の相場表街道/裏街道 連載


平野 憲一氏

平野 憲一氏

金属時計バンドと部品のトップメーカー、日本精密(7771・JQ)は1月30日に平成27年3月期第3四半期決算を発表したが、営業利益が通期予想の半分にも満たない進捗(しんちょく)率だったため、利益確定に押されている。しかし、売上推移は順調で、営業利益が低く出たのは、受注増に対応したベトナム・カンボジア工場の人員拡充(2,800人から3,200人体制へ)と、円安により人件費を含む販売管理費の増加によるもの。事実、経常利益の進捗率は133%と既に通期予想を超えている。純利益のそれは何と156%だ。これだけの利益が出るのに通期予想を上方修正しないのは、確定していない為替差益が含まれる数字を根拠の修正はしないという会社側の方針で、1-3月がマイナスになるということではない。通期決算発表で数字がはっきりした時には大きく評価されよう。今後の株価推移が楽しみだ。

日本精密(7771) 週足

日本精密(7771) 週足

そんな中、陣頭指揮でベトナムに常駐している岡林社長の帰国に合わせて面談する機会を得た。まだ帰宅前で、旅装も解いていない時に2時間にも及び長期ビジョンを語ってくれた。

中国の一人っ子政策では、製造業には人は流れない。特に厳しい精密部品業界などへ親は子をやらないと判断し、ベトナム中心の展開をしていたASEAN(東南アジア諸国連合)プロジェクトが、今ピタリとはまったとのこと。時計部品の供給元としての中国は、人件費高騰と優秀人材の不足で破たん寸前。チャイナプラスワンでASEAN諸国へそれを求める企業は多いが、高いレベルの一貫生産で時計部品を供給できるのは当社1社だけだ。既に数社から大型案件も持ち込まれており、当然価格交渉も有利に進んでいる。今期の数字もさることながら、継続的に利益を出せる自信はあると明言した。この企業の成長をしっかり見届けたいと、筆者は強く感じた。(本紙2月12日付1面)

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