ディスプレー業界に新たな切り口 乃村工藝社 実はインバウンド関連

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乃村工(9716) 週足

乃村工(9716) 週足

「人を呼び込む空間プロデュース」ニーズが拡大中。その大きなきっかけとなったのがおととしの東京五輪開催決定であり、折からのインバウンド(訪日観光客)消費を取り込もうとする動きと相まって、今後も市場拡大が続く見通し。

観光庁によると、昨年、訪日外国人1,341万人の消費は合計2兆円(1人当たり約15万円)で、内訳は買い物(7,142億円)、宿泊費(6,093億円)、飲食代(4,307億円)、交通費(2,179億円)と続く。訪日外国人を2020年に2,000万人、30年に3,000万人にするという政府方針に当てはめると、訪日外国人の消費は20年が3兆円、30年は4兆5,000億円に広がる。

小売、卸売、宿泊、飲食、サービス、製造と、インバウンド消費の恩恵を享受する主要業界の「売上高に対する設備投資率(平均値3・8%)」から試算した新装・改装需要は、14年の768億円に対し、20年が1,144億円、30年は1,718億円と拡大が続く。

丹青社(9743) 週足

丹青社(9743) 週足

こうした市場拡大の波に乗っているのがディスプレー業界だ。最大手は世界的なトップデザイナー・小坂竜氏などを擁する乃村工藝社(9716)で、2番手に丹青社(9743)、3番手はスペース(9622)

中で、乃村工藝社は空間プロデュース力への評価が高く、市場シェアが上昇傾向。現状のシェア(10%程度)からすると、20年に110億円、30年に170億円程度の売り上げ上乗せが期待できる。現在、同社の全体売上高は1,000億円規模であり、そのインパクトは無視できない。

足元業績は順調。駅や空港などの商業エリアの再整備、免税店、ホテル、百貨店、複合商業施設などの受注に加え、富豪豪邸など新たな分野にも乗り出しており、来16年2月期業績にも期待が持てる。なお、丹青社は1月期企業、スペースは12月期企業であり、先行して発表される同業他社の本決算発表も刺激材料に。(本紙2月9日付1面)

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