櫻井英明のそこが聞きたい インフォテリア 平野洋一郎代表取締役社長 つなぐ技術で世界を目指す

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データ連携ソフトは国内首位

平野洋一郎代表取締役社長

平野代表取締役社長

兜町カタリスト・櫻井英明氏が上場企業のトップを取材する「櫻井英明のそこが聞きたい」。今回は、ソフトウエア開発会社のインフォテリア(3853・東マ)。平野洋一郎代表取締役社長に現状と今後の戦略を聞いた。

――業容からお聞きします。

平野 当社の中核は「ソフトウエアで世界をつなぐ」をテーマとしたパッケージソフトです。「組織を超えたコンピューティングを実現するソフトウエアを開発し世界規模で提供する」ということです。個別の要望に応じた受託ソフトではなく、不特定多数に向けたパッケージソフトの開発が極めて重要と考えています。

海外の大手ソフトを見れば、オラクル、マイクロソフト、グーグル、セールスフォースなどみなパッケージソフトです。

受託ソフトではなく、汎用性のあるソフトを製作しているのですが、今提供している主力のソフトは2つ。

ひとつは「アステリア」。これは企業内、取引先、顧客をつないでやり取りを円滑にする「通訳」のような役割です。実は、多くの報道機関も使っています。このソフトがなければ全国の記事配信が難しいというのは過言ではないでしょう。導入社数は昨年9月末で4633社です。企業データ連携市場では8年連続No.1となっています。

もうひとつはタブレット端末をつなぐ「ハンドブック」。これは「企業内外のコンテンツを安全に配信し携帯端末での閲覧を可能にするクラウドサービス」。ドコモでもソフトバンクでもKDDIでも使えます。野村證券、三菱東京UFJ銀行、レノボ、東工大など昨年9月末の導入は736件。ロンドン五輪で女子バレー監督が持っていたタブットはこのハンドブックでつながっていました。モバイル情報共有で市場シェアは3年連続No.1になっています。

――シンガポールに赴任されたそうですね。

平野 昨年、シンガポールに家族を連れて赴任しました。今、ソフトの世界は国内に閉じこもっている時期ではありません。グローバルな視点とスピード感を求めれば当然トップが直接海外でビジネスの意思決定の最前線にいることは必要となります。昨年、増資を行ったのも、迅速な意思決定が出来る体制づくりの一環でした。クラウドやデバイスの進化によって、世界はよりフラット化し、世界のIT市場は拡大傾向にあります。この流れに乗っていくためには、ダイナミックに海外で顔を合わせながら業務にまい進することがこれから欠かせないでしょう。そもそも東南アジアという場は、飛行機で7時間以内に31億人が居住しています。経済成長率も圧倒的な高さです。

――今後の展望をお聞きします。

平野 東南アジア市場を皮切りに英語圏を含めさらにヨーロッパ市場も視野に入れて事業を拡大していく方向です。クラウド化の進展により、企業のIT資産はデータのみとなるため、データ連携のニーズは永遠になくなりません。「アステリア」のシェアNo.1が10年、20年と続くことを目指します。近い将来には、エンジニアでなくても誰もがビジネスの現場でシステムをつくれるような環境を「アステリア」で実現していくつもりです。またインターネットにつながるさまざまな機器(IoT=Internet of Things)と連携する製品の開発も進めています。

<櫻井英明の取材メモ>
1月の福岡でのIR(投資家向け広報)。当日シンガポールから羽田経由で福岡入り。翌日朝7時の飛行機で羽田に向かい、会議をしてから平野社長はシンガポールへ向かわれた。このパワーはスゴイ。そして熊本弁でのIRも前進基調を感じさせてくれた。同社は専門家にはなじみがある「XMLソフト専業メーカー」からスタート。今は「つなぐ技術国内No.1」。将来は「つなぐ技術世界No.1」を目指している。アップルだってマイクロソフトだって最初はITベンチャー。パッケージソフトで世界を席巻した企業は多い。そういう日本企業がいずれ登場したっておかしくはない。

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