材料点検 アクトコール 大手不動産と連携「空き家」対策に期待

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新規事業も収益化

2日連続のストップ高比例配分で16日に1,660円まで駆け上がったアクトコール(6064・東マ)。流動性に乏しいこともあって、株価は乱高下を繰り返す習性があるが、22日に開催した決算説明会では今11月期の収益急回復予想とともに、新規事業についても方針が示された。

株価急伸の思惑材料となった三井不動産リアルティとの業務提携については、同社の主力事業の「緊急駆けつけサービス」での連携。同社は管理物件の入居者向けに水回りや鍵、電気・ガス設備など日常生活のトラブルを24時間365日解決している。トラブルは東京と鹿児島の自社運営コールセンターで受け付けて、全国に約1,600ある協力先の設備修理会社が出動する。協力先は去年11月までの1年間に約600社増加している。この中に、「空き家・空き地」の巡回サービスも提供、「空き家対策」関連として関心を集めた。

アクトコール(6064) 週足

アクトコール(6064) 週足

同社はこれまで主に大手不動産会社の付帯サービスとして提供してきたが、今後は「個人家主」「持家市場」向けにも拡大する。そこで活躍が期待されるのが、2013年3月に子会社化した「インサイト」の存在。

家賃収納代行事業を営むインサイト。現在、家賃保証会社44社と提携して新たな家賃決済サービス「レントペイ」の普及を進めている。通常、家賃保証会社は「家賃収納」と「家賃保証」の2業務を請け負うが、レントペイではこれを分離。家賃の請求や収納はインサイトが、滞納対応は保証会社が行うことで業務効率を向上させた。その結果、借り主からの支払いの可否にかかわらず、家主は家賃を適時受け取れるようになり、複数物件を所有する家主は収納業務の一元化が可能になった。保証会社の倒産などリスク分散も図れる。

家賃収納業務は決済機能を持たない個人家主にとって悩みのタネである場合が多く、レントペイでこれを即座に解決。加えて、家賃の一部をアクトコールの主力「緊急駆けつけサービス」に振り向ければ、物件の付加価値向上も簡易に実現できる。人口減少が続く中、家主にとって空室解消は喫緊の課題であり、家主と借り主の双方にメリットのある同社サービスの潜在ニーズは高い。現在、国内には約1,400万戸の民営借家があり、うち半数が個人家主によるものといわれ、同社はこの市場でのシェア拡大を目指す。

インサイトは前11月期に設立10年目にして初の単独黒字化を果たした。ストックビジネスのため、今後は取扱件数の増加に伴う収益の積み上がりが期待される。前期末時点の取扱件数は7万件。今期は10万件と大幅増を見込む。

なお、全体の業績を見ると、前11月期は44%増収も、業容拡大による人件費の増加などで営業利益は32%減に。ただ、上場後初の期末10円配当を実施した。今期は売上高35億3,400万円(前期比26%増)、営業利益2億5,800万円(同4倍増)を計画する。期末10円配当は継続する予定だ。

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