FPG 谷村尚永代表取締役社長インタビュー「ワンストップ型ファイナンシャルサービス業」に拡大余地

インタビュー 個別


高収益を背景に金融メーカー機能 会計事務所や金融機関とWin―Winの強み

谷村尚永代表取締役社長

谷村尚永代表取締役社長

主に航空機など大型輸送関連設備を対象としたオペレーティング・リース事業のアレンジメント業務を手掛けるFPG(7148)。不動産、保険、証券、投資顧問など事業領域を拡大させ「ワンストップ型ファイナンシャルサービス業」の実現を目指している。業績も絶好調で、10月以降は株価も好パフォーマンスを描いた。高い利益率を維持しつつ、FPGの事業・業績成長はまだまだ続く。谷村尚永代表取締役社長(写真)に成長戦略をインタビューした。

――「ワンストップ型ファイナンシャルサービスの実現」を目指すFPG社の特徴と魅力を教えて下さい。

谷村 当社は、よくリース会社と誤解されるが、リース資産は一切保有せず、オペレーティング・リース事業の組成を行い、顧客(投資家)に当該リース事業の匿名組合出資金を販売するタックス・リース・アレンジメント事業をコアビジネスとする会社である。当社の組成するオペレーティング・リースは日本の税制に適合したものであるため、日本型オペレーティング・リースと言われている。扱っているリース対象資産は航空機・船舶・海上輸送用コンテナであり、リース先は、ナショナルフラッグキャリアと呼ばれる英国航空やルフトハンザ、エールフランスなど国を代表とする一流の航空会社や大手海運会社などである。顧客は高収益を上げている全国の中小企業で、リース事業から発生する損益を自身の決算に取り込むことで得られる課税の繰り延べ効果や、将来リース物件を売却した時に得られるキャピタルゲインを享受すること等が投資目的となっている。おかげさまで、業績好調な顧客からの需要が強く推移し、業績は好調である。

そこで当社はコアビジネスであるタックス・リース・アレンジメント事業を継続的に強化しつつ、コアビジネスの顧客である高収益な中小企業と、個人富裕層をターゲットとしたさまざまな金融サービスを提供できるワンストップ型ファイナンシャルサービス業の実現を目指している。

――営業力でも独自の展開力を構築されていますね。

谷村 当社の強みは全国の会計事務所との提携による販売ネットワーク。主要顧客である高収益な中小企業や個人富裕層への営業は、このネットワークを活用している。2010年のJASDAQ市場への上場、翌年には東証2部、その翌年には東証1部上場へとわずか2年で駆け上がることにより、信用力も向上し、金融機関との提携が広がった。現状で地方銀行など68行、証券会社16社と提携しており、強力な販売ネットワークとなっている。東証1部上場の信用力を背景に、会計事務所や金融機関から多くの顧客をご紹介いただいていることが、5期連続の増収増益につながっている。

――高い収益力を維持しつつ、M&A(企業合併・買収)を絡めて事業領域を不動産、保険、M&Aアドバイザリー、証券などへ広げていますが、その秘訣(ひけつ)を教えて下さい。

谷村 高い収益力を実現するためには、自社ブランドの金融商品を組成・販売することが必要だ。すなわち、金融分野でメーカー機能を持つこと。単純に金融商品を提供するだけでは利益率は高まらない。そこで、当社は独自に事業化した不動産関連事業や、証券、投資顧問、信託会社といった買収により、メーカー機能を強め、顧客ニーズに合った収益性の高い金融商品の組成・販売を進めている。メーカーというと一般的に人や物のコストが課題となるが、金融分野のメーカー機能は掛けるコストに比例しない。少ない人数で大きな金額の金融商品を組成することは可能だ。メーカー機能を重視した事業領域の拡大を行い、高い収益力を維持しながら業績拡大を実現していく。

――不動産関連事業も好調に推移しているようだが。

谷村 来年1月からの相続課税の強化を背景に不動産関連事業は個人富裕層向けニーズが高まるという追い風がある。特に都心の不動産は、相続税算出の基礎となる路線価と実勢価格との乖離(かいり)が大きいため、相続の際には大きな評価減を受けられる可能性がある。そこで、当社は都心5区の一等地を仕入れ、1口1000万円から投資可能な不動産小口運用商品の提供を昨年8月から開始した。この商品は、資産運用と同時に、相続・贈与資産として活用でき、当社が一体的に物件管理・運営を行うので煩わしい手間もかからず、地方の方にも大変好評である。これまで、完売を含めて3物件の販売実績を持ち、現在も販売好調に推移している。

FPGの不動産販売実績と新規物件
第1号案件 「FRIP Shibuya INCS」 2013年8月販売開始、12月完売
渋谷マークシティに隣接したオフィスビル 共有持分総額2080百万円
第2号案件 「FRIP プラチナコート広尾」 2014年3月販売開始。現在販売中
付近には、フランス大使館や有栖川記念公園などがある、高級住宅街にある高級レジデンス 共有持分総額2910百万円
第3号案件 「FRIP Qiz 青山」 2014年8月販売開始。現在販売中
2020年東京オリンピックメイン会場予定近くの商業・オフィスビル 共有持分総額1400百万円

――今後の事業ポートフォリオについての考えを教えていただきたい。

谷村 M&Aを活用し証券、投資顧問、信託などへ広げた事業は、想定の事業ポートフォリオ完成まで8割程度の段階だ。新規事業へ進出し取扱商品を拡大することは、新規顧客の獲得機会の拡大に加え、既存顧客に対する新たな商品の提供が可能となる。このように顧客ニーズに対応したさまざまな金融商品が提供できるワンストップ型ファイナンシャルサービス業が当社の目指すところであるが、特に、主要顧客である高収益な中小企業と個人富裕層を対象としたプライベートバンクとしての機能強化を進めていく。数年以内の早い時期に、目指す事業ポートフォリオを完成させたいと考えている。

――最後に、株価の感想と株主還元策、事業環境の見通しについてお聞かせください。

FPG(7148) 週足

FPG(7148) 週足

谷村 過去数回の公募増資を実施したが、これまで公募価格を下回ったことはないと自負している。14年9月期業績は当初予想を大幅に超過したが、今期についても引き続き、全国の高収益な中小企業による需要が強く、事業環境の見通しは非常に良いので、株価のさらなる上昇を期待している。また、配当についても、株主の皆さまへ業績に応じた利益還元を実施すべく、連結配当性向の目標をおおむね30%以上とし、14年9月期は1株当たり期末配当金26円、連結配当性向36%、今期は1株当たり31円、連結配当性向35.9%の増配を予定している。現在、6期連続増収増益の達成に向けて、役職員一丸となってまい進しており、今後とも、当社の成長性にご期待いただきたい。

【取材後記】
FPGのビジネスモデルはほかに類似する上場企業がほとんど存在しない中、株価は、前14年9月期の66%営業増益の達成、そして、今9月期の42%超の営業増益計画と大幅な増配見通しを素直に好感する形で大幅上昇した。会社側の業績計画はやや堅めであるともとらえられるが、今後の成長性を織り込めば、まだまだ上値余地は大きい。売買単位は100株で個人投資家にもまだまだ手に届きやすい株価水準に置かれていると判断できそうだ。

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