東証の規制後、第1号 山喜がライツオファリング

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12月9日に臨時株主総会 事業基盤強化が目的

山喜(3598・2部)は株主割当増資の一種であるライツ・オファリング(ノンコミットメント型・上場型新株予約権の無償割当)で資金調達する。20日に発表した。

山喜(3598) 週足

山喜(3598) 週足

ノンコミットメント型のライツ・オファリングは、これまで債務超過企業などによる利用が増えており、既存株主が不利益を被らないようにガイドラインを求める声が高まっていた。これを受けて、東京証券取引所は10月から規制を実施。2期連続での経常赤字や債務超過企業による増資を禁じたほか、増資の際には証券会社による事前審査か株主総会による決議を義務付けた。

山喜のライツ・オファリングは東証の規制実施後では最初の案件となる。12月9日に臨時株主総会を開催して株主に実施の決議を諮る。

12月19日時点のすべての株主(同社を除く)を対象に、1株に新株予約権1個を無償で割り当てる。行使期間は2015年1月30日から2月17日。行使価格は1株につき120円。最大で約9億円を調達する。

山喜はドレスシャツメーカーの大手。今年7月にシャツ専業メーカーの老舗であるCHOYAから事業の一部を譲受することを決めた。CHOYAは百貨店チャネルを中心に安定した顧客層を持ち、山喜にとっては高級ゾーンの拡大を図る上で大きなチャンスとなる。今回の資金調達はこうした事業基盤強化のための投資を目的にしている。

■ライツ・オファリングとは

株式会社の資金調達の手法で、ライツ・イシューとも言う。既存株主に対して、市場価格よりも低い価格で新株を買える権利(新株予約権=ライツ)を無償で割り当てるもの。新株予約権が割り当てられた株主は、予約権を行使して現金を払い込んで新株を受け取る。行使を希望しない株主は、東証の新株予約権の市場で新株予約権を売却して現金を受け取ることができる。公募増資は、1株利益の減少(株式価値の希薄化)や需給悪化懸念で株価が下落するケースがあり、既存株主は不利益を被ることが多い。ライツ・オファリングは、権利を行使または売却が可能なため、持ち分の希薄化による不利益が生じにくいのが特徴。行使期間内に行使されない新株予約権が失権するのが「ノンコミットメント型」、行使されなかった新株予約権を証券会社がすべて行使する設計となっているのが「コミットメント型」。

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