櫻井英明のそこが聞きたい 翻訳センター 東郁男代表取締役社長 アジア№1の産業翻訳会社

インタビュー 個別


多言語コンタクトセンター事業を開始

東郁男代表取締役社長

東郁男代表取締役社長

兜町カタリスト・櫻井英明氏が上場企業のトップを取材する「櫻井英明のそこが聞きたい」。第5回は、産業翻訳の最大手である翻訳センター(2483・JQ)。東郁男代表取締役社長に現状と今後の戦略を聞いた。

――業容からお聞きします。

 当社は医薬翻訳、特許翻訳、工業翻訳、金融・法務翻訳など専門分野の翻訳会社です。国内最大手、売上高アジアナンバーワンの翻訳会社です。言葉に関する総合サプライヤーでもあります。

ビジネスのグローバル展開にとって産業翻訳・通訳は欠かせない要素ですから英語翻訳をはじめ約70の言語に対応しています。特に製品カタログやマニュアル、機械仕様書などに加えて新薬申請資料、医薬品・化粧品の添付文書などには産業翻訳が必要不可欠の存在です。同時に企業のグローバル展開で特許や技術などの輸出も拡大していますから、翻訳ニーズも増加しています。そのほかにもメディカルライティング業務、翻訳者派遣、通訳者派遣、コンベンション事業も行っています。翻訳だけでなく、言葉周りのあらゆるサービスを提供できるグループと言えます、

今年10月にはメディカルライティングの専門子会社「パナシア」を設立。言葉に関するビジネス領域の拡大と専門性の深耕を着実に行っています。

将来的には日本企業による海外インフラ受注拡大や日本の自動車産業の拡大、生産拠点の多極化や医療分野における学術研究の加速、クールジャパンでのコンテンツ増加や訪日観光客の拡大などで翻訳ニーズはさらに高まるものと考えています。

――今後の展望はいかがでしょうか。

 経営ビジョンは「すべての企業を世界につなぐ言葉のコンシェルジュ」です。これに沿って事業領域の拡大とサービス品質の向上を目指していきます。例えば当社が独自に開発した翻訳支援ツールを積極的に活用すれば重複箇所などを機械的にかつ迅速に処理することが可能です。

また2012年には通訳業界で知名度の高いISSグループを子会社化しましたので、共同営業とクロスセルにより売り上げ拡大を図ります。ISSグループは13年6月の横浜での首脳会合「第5回アフリカ開発会議」の全体運営を担当しました。これは日本国内で開催された過去最大級の会議でアフリカ諸国53カ国の首脳や関係閣僚や国際機関の長などが参加しました。今後東京五輪の開催を控えてこのような国際会議の運営も当然増加していくでしょうから、多くの国際会議の運営に臨みたいと考えています。

言葉のインフラが整備されていない日本ではまだまだ形になっていない翻訳ニーズが数多くあります。東京五輪は国内全体の言葉のインフラ整備のきっかけになるでしょう。

――「マルチランゲージ・コンタクトセンター」について教えてください。

 最近開始した事業がマルチランゲージ・コンタクトセンターです。これは外国人ユーザーと企業や自治体などの担当者が意思疎通を図れるよう、コールセンターのオペレーターが電話通訳を行うサービスです。24時間365日の運営体制を採用し、既に東京メトロさんや自治体や金融機関さんなどに導入されています。訪日観光客や在留外国人の増加が見込まれる中、今後拡大するサービスだと考えています。

<取材メモ>
同社は「すべての企業を世界につなぐ言葉のコンシェルジュ」をテーマに掲げる国内最大手、売上高アジアナンバーワンの翻訳会社。産業翻訳を中核として、通訳、コンベンション運営、派遣・人材紹介、外国特許出願支援、翻訳・通訳者育成など事業領域は拡大。東京五輪に向けて国際会議増加など追い風材料は盛りだくさん。8月にはマルチランゲージシステムのデイ・キュービックと提携。地下鉄などでの外国人対応システムにも進出。アベノミクスを現場で支えている印象だ。

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