IPO社長会見 エラン(6099) 上場追い風にシェア拡大急ぐ

IPO 個別 社長会見


櫻井英治代表取締役社長

櫻井英治代表取締役社長

「CSセット」を新インフラに…タオルや日用消耗品などを1日単位で利用できる「CSセット」を病院や介護施設の利用者向けに提供している。利用者本人のみならず、利用者の元に日用品を届けたり洗濯したりといったサポート側の負担も軽減する。「CSセット」は3種類あり、最も高額なAプラン(日額800円)は寝間着やエプロン、スキンケア用品までそろうが、タオルと歯ブラシなど最低限に留めたCプラン(日額300円)も用意することで、経済的な余裕がない利用者でも手ぶらで入退院が可能な仕組みを実現した。

“3者共存”で低解約率を実現…「CSセット」サービス運営には施設、リネン供給業者の協力が必須だが、彼らにも大きなメリットがある。施設では職員が利用者の私物管理から解放されて本業に専念できるほか、ベッド周りが清潔に保てるなど衛生水準の向上も可能に。「CSセット」の申し込みや物品の受け渡しを当社から委託されるため、手数料収入という新たな収入源を確保することもできる。リネン供給業者はノウハウを持つ当社と組むことで、商材を増やすなど、ビジネスチャンス拡大が可能になる。ちなみに当社サービスの直近解約率は1%以下と、継続率の高さも大きな特徴だ。

カバー率わずか1ケタ…言うまでもなく、当社ビジネスには人口動態的な追い風が吹いている。65歳以上の高齢者の割合は現在の25%から、2025年には30%超にまで拡大すると推計されている。医療機関や介護施設に関わる機会が増える一方で、「ひとり親」など単身世帯は増加傾向にある。にもかかわらず、当社の契約施設数は前12月期末で406。直近5年間は年率35.6%のペースで増加しているが、市場はまだまだ未開拓。例えば病院は全国に8,565施設あり、そのうち、当社がターゲットとする50床以上の病院は7,594施設あるものの、当社の契約先は378施設でカバー率はわずか5%にとどまる。介護施設のカバー率は2%。今回の上場を追い風にシェア拡大を急ぐ。

<記者の目>
競合は数社存在するが、それらも含めた市場カバー率は病院で10%、介護施設で4%ほどと、いずれも同社シェアの倍にとどまる。ビジネス自体の認知度が低いようだ。これまで同社の知名度を理由にサービス導入を渋るケースが少なくなかったようで、今後は“急角度”での成長が期待できそう。将来的には「データベースを活用した新規ビジネス展開もイメージしている」とのこと。

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