材料追跡 HIS(9603) 海洋テーマパーク「ラグーナテンボス」が本格始動 第2のハウステンボスとして再生へ

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HIS(9603) 日足

HIS(9603) 日足

ハウステンボスの再生に成功したエイチ・アイ・エス(9603、HIS)が新たな再生事業に乗り出している。HISの株価は、航空機解約トラブルが発生したスカイマーク(9204)の第2位大株主であることが懸念されて、7月高値3,480円から約1,000円幅での値幅調整を強いられた。しかし、10月の年初来安値2,472円を付けた後、自律反発を見せた。目先の悪材料を株価は織り込んだもよう。ここからは、年末年始の旅行需要というニュースが出やすい環境にあり、新材料を前向きにとらえることができる局面だ。

【開園時間延長など改革推進】

「第2のハウステンボス事業」発表から4カ月が経過した。HISは8月1日に愛知県やトヨタ自動車らが出資する第三セクターから「ラグーナ蒲郡」の主要事業を承継。2012年度末に78億円の債務超過を抱えた愛知県内の海洋レジャー施設で、現在はHISの連結子会社ラグーナテンボス(蒲郡市)が事業再生に取り組む。11月14日より施設名を「ラグーナテンボス」に変更して、再生がいよいよ本格始動する。

砂浜やマリーナ、巨大プールをもち、従来は夏季利用が圧倒的多数を占めていたが、通年利用を盛り上げるさまざまな施策を企画する。第一弾として「11月からは夜間イベントを大量投入し、開園時間も延長。冬季の来場者数増と滞留時間延長を図る」(ラグーナテンボス広報担当)という。

【日本初の映像イベントで集客】

日本初、広場の壁4面を使った3Dマッピング

日本初、広場の壁4面を使った3Dマッピング

目玉は園内を埋めつくすイルミネーションと、日本初の2大「プロジェクションマッピング」。施設内のテーマパークエリア「ラグナシア」では、巨大プールや噴水など水面に立体映像を投影する日本初の「ウォーターマッピング」イベントを14日からスタートさせる。四方を壁に囲まれた広場を使った「360度3Dマッピング」も同時開催。閉園時間は午後5時(平日)から午後10時に延長して、「従来2、3時間程度だった冬季来場者の滞留時間を、夏季並みの6時間程度にまで引き延ばす」(同)。

ちなみに、プロジェクションマッピングによる夜間イベント拡充は、ディズニーリゾートを展開するOLC(4661)がその効果を実証済みでもある。

【初年度から黒字化を計画】

ラグーナテンボスの年間来場者数について会社側は、15年度を前年並みの85万人と計画。16年度は90万人、17年度は100万人を見込む。ちなみに先輩格のハウステンボスは施設規模が異なるものの、HIS傘下入り直後の09年度141万人から、前年度は247万人超に拡大している。

施設最寄りの都市圏、名古屋との間に無料シャトルバスを運行し、国内集客を強化する。親会社のHISでは来年1―3月にタイの航空会社と提携して日本15都市とアジアを結ぶチャーター便42本を飛ばすが、これを活用したパッケージプランも計画中。これまで未開拓だったインバウンド(訪日外国人)需要も取り込む方針だ。

こうした施策でラグーナテンボスは、15年9月期の売上高49億円、営業利益1億1,000万円と、初年度から黒字化を目指す。なお、HISは10月期決算。再生が順調に進めば施設を運営するラグーナテンボスが通年でフル寄与する。12月上旬に予定される通期決算発表では、これら明るい話題も取り上げられることは確実で、株価材料としても意識されてきそうだ。

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