トップインタビュー “CHOYA効果”生かして飛躍へ 山喜 代表取締役社長 宮本惠史氏

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業績好調、株主優待も好評

代表取締役社長 宮本惠史氏

代表取締役社長 宮本惠史氏

山喜(3598・2部)はドレスシャツの製造・販売で国内トップ。クールビズの定着で夏の需要が拡大するなど、環境には追い風が吹いている。今年7月にはシャツ専業メーカーの老舗であるCHOYAの事業の一部譲受が決まり、さらなる業容拡大の期待が膨らんでいる。代表取締役社長の宮本惠史氏(写真)に今後の戦略を聞いた。

――特徴から教えてください。

宮本 当社の売上高は、ドレスシャツ(ワイシャツ)が73%、カジュアルシャツ23%、レディースシャツ4%という構成です。ワイシャツは年間約1,100万枚を生産・販売しています。国内の市場規模はざっと5,000万枚ですから当社のシェアは約2割。専業メーカーではトップです。

品質に対する強いこだわりを持ち、信頼される商品を供給する生産・販売体制を構築しています。海外生産に強いことが当社の特徴で、タイ、ラオス、上海に直営工場を持つほか、本社から工場長を派遣した協力工場がインドネシア、バングラデシュにあります。バングラデシュ工場では年間600万枚、当社全体の55%を生産しています。日本のオペレーションを完全に移転し、日本基準のシャツをそれぞれの国でコストパフォーマンス良く生産しています。

販売は量販店、百貨店、専門店などですが、量販店の衣料品売り場における当社のブランドコーナーは順調に売り上げを伸ばしています。効率の良いインターネット販売も行っています。

――CHOYAの事業の一部を譲り受けます。

宮本 CHOYAは明治時代から長い伝統を持ち、国内で生産する高級シャツは品質の高さで有名です。事業を一部譲受するに際して決めたことは、譲受した事業を将来にわたって利益が出る事業として継続していくこと。そして2社の良さを融合することです。ブランドを引き継ぐとともに、オーダーシャツを含めた高級シャツを生産するCHOYAの国内2工場を取得します。海外生産に強みを持つ当社と、ブランド力、技術力を持つCHOYAの融合は大きな力になります。

事業譲受のうち、百貨店向けオーダーワイシャツ及び専門店向け既製品は今年11月に、百貨店向け既製品は来年2月に譲受を実施する予定です。譲受する事業の売上高は年間約20億円で、本格的に寄与するのは2016年3月期からになります。“CHOYA効果”を生かすとともに経営合理化を進めて業容を拡大していきたいと考えています。

――マーケットの先行きをどう読みますか。

宮本 団塊の世代が定年退職してワイシャツが売れなくなると言われましたがそんなことはなかった。ワイシャツが成長する可能性は大きく、その理由はいくつかあります。一つはクールビズの定着でシャツの世界が広がりました。夏はシャツが上着としての性格を持つようになり需要が拡大しています。2つ目はカジュアル化が進んでいること。オフィスで着ることができるカジュアルシャツの需要が増えています。そして、女性の社会進出が進み、レディースシャツがワイシャツ、カジュアルシャツに続く第3の柱に育つ可能性が出てきました。

――足元の状況はいかがでしょうか。

宮本 消費税引き上げ後の反動は想定したほど大きくありませんでした。秋物の出足は順調です。昨年後半から価格が若干高めの商品に売れ筋が移っており、当社の粗利益率は上昇しています。個人消費は悪くはありません。とくに大都市圏での消費は堅調で、百貨店向けの売り上げを伸ばしたいと考えています。

10月30日に発表した15年3月期の第2四半期(4―9月)決算は、売上高82.7億円(前年同期比3.8%減)、経常利益1.3億円(前年同期は100万円)となりました。付加価値商材へのシフトなど販売粗利益確保の施策を強力に推進するとともに、不採算直営店舗の撤退を行い、大幅な経常増益を達成しました。消費マインドの回復や採算性改善効果などを見込み、通期では売上高172億円(前期比3.7%増)、経常利益1.4億円(同53.8%増)の見通しです。配当は年4円の予定です。

――株主優待制度も好評ですね。

宮本 保有株に応じてWEBショップを含む当社グループ直営店での買い物券を3月と9月に贈呈しています。100株保有の株主は2,000円券が年2回の贈呈となります。株価は200円台ですから、配当と合わせた“実質利回り”から株主の方には喜んでいただいています。

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