保有株式価値に着目 ソフトバンクだけじゃない!

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割安際立つDガレージ、安田倉

子会社株の時価評価にあらためて注目してみたい。

ソフトバンク(9984)の保有する中国・アリババ株(発行済み株式の32.4%)の時価評価が、27日時点で8兆4,000億円を超えてソフトバンク本体の時価総額の95%近くに達してきた――という話はこれまで何度か書いてきたが、同じような例はほかにもある。

Dガレージ(4819) 週足

Dガレージ(4819) 週足

例えばデジタルガレージ(4819・JQ)カカクコム(2371)の筆頭株主だ。カカクコムの30日前引け時点(以下同)の時価総額は3276億円であり、デジタルガレージの保有分(20・9%)に直すと684億円。これだけでデジタルガレージの時価総額(673億円)を上回ってくる。原理的には、デジタルガレージを全株買収しても、同社保有のカカクコム株を売却しただけで、買収資金をすべて回収し、なおお釣りがくる、というわけだ。

同じように、自社の時価総額が保有する1銘柄の時価評価にも及ばない銘柄は、もう1銘柄ある。安田倉庫(9324)の時価総額は287億円だが、保有するヒューリック(3003)株の時価評価(発行済み株式の4.9%分)だけで312億円となる。仮に、みずほ系の中核不動産会社であるヒューリックを大量に買い付けたい投資家がいたなら、まずは安田倉庫を買った方が安上がり、と言えるかもしれない。

ここまで極端ではないにせよ、例えば、京成電鉄(9009)の保有するOLC(4661)株の価値は、京成本体の時価総額の9割を優に超え、同様に、豊田自動織機(6201)の保有するトヨタ自動車(7203)株の価値は、豊田織機本体の時価総額の8割を上回る。

もちろん、こうしたディスカウント評価の生じる背景は各社それぞれにあるのだろうが、財務戦略の多様性確保(例えば、保有株の一部を売却して自社株買いに充てるなど)にもつながり、折に触れて注目を集める素地があるとみることもできるだろう。

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