櫻井英明のそこが聞きたい ウォーターダイレクト 伊久間努代表取締役執行役員社長

インタビュー 個別


3つの差別化で成長

伊久間努代表取締役執行役員社長

伊久間努社長

兜町カタリスト・櫻井英明氏が上場企業のトップを取材する「櫻井英明のそこが聞きたい」。第4回は、飲料水の宅配のウォーターダイレクト(2588・2部)。伊久間努代表取締役執行役員社長に現状と今後の戦略を聞いた。

――業容からお聞きします。

伊久間 当社は東証に上場する唯一の宅配水専業会社です。創業は2006年と若い企業ですが、8期連続で増収増益を達成しています。ボトル回収不要の「ワンウェイ方式」を採用し、大手小売店などでのデモ販売により会員数を拡大。現在4位です。おととしには台湾にも進出しました。

――特徴を教えてください。

伊久間 富士山のふもとの富士吉田で地下約200mからくみ上げた水を宅配便で全国に届けています。創業の時に考えたことは「南アルプス」とか「エビアン」のようなペットボトルの水が既に店頭に並んでいるところに当社の「クリティア」を置いても勝てないだろうということでした。要は既存大手と戦っても勝てないということ。しかし大手が進出していない宅配水なら勝てると思いました。他社と同じコンセプトでは勝てないということで3つの差別化を図りました。

一つは水の種類の差別化です。通常のミネラルウォーターではRO水が使われています。逆浸透膜を使って純水にし、これにミネラルを加えているのです。クリクラでもアクアクララでも皆この形。意外と知られていませんが、アメリカでも中国でもこれが世界の標準です。だったらわれわれは天然の水で勝負しようとしました。

そして使う容器はワンウェイ方式のPET素材のもの。従来の水は自社配送と回収が必要でした。しかし「容器が邪魔」と言う声が圧倒的でした。そこで宅配便で届ける方法を考えました。曜日も時間も指定出来る宅配便だったら煩わしさは消えるでしょう。

「ウォーターサーバーはあれば便利だけど…」と言う声も聞こえましたので、だったらサーバーを無料にして試してもらおうと考えました。この3点セットでスタートしたわけです。デモンストレーション販売をして家電量販店での顧客獲得も行い現在は約20万人のお客さまに利用していただいています。

アマダナという家電ブランドと提携して4万円弱と結構高いですがリビングに向くサーバー開発もしました。このサーバーはおかげさまでドラマなどのTV番組で使用してもらうなど大変好評いただいております。法人営業とテレマは光通信と合弁会社を設立しコピー機販売部隊とテレマで販路を拡大しています。アスクルやカウネットとの相乗効果も出てきています。

製販一体の経営にこだわる

――経営上のこだわりは何でしょうか。

伊久間 オリジナルの商品を使うことを重要視しています。「他人の場所では戦わない」と言い換えてもいいかもしれません。経営のポイントは自社開発製品、自社品質管理、自社スタッフで管理、アフターサービスも自社という製販一体の経営です。多くのお客さまの反応を自社商品に反映させることを心掛けています。そして重要なのは継続顧客の増加です。当社はストックビジネスですから解約率を低くすることが目標です。最近では1.3%前後です。つまり100のうち98.7人が残っていただけているということです。ここにプラスαの新規を獲得して積み上げていくことが経営の安定につながると考えています。

<取材メモ>
河口湖周辺地下約200mからくみ上げられる富士山天然水「クリティア25」を製造販売。ワンウェイのペットボトルの回収不要システムなど先端的物流システムの構築などに特色。またアマダナとコラボレーションしたおしゃれなサーバーへの注目度も高い。「キメ細やかな営業戦略を洗練し水関連のビジネスの可能性に挑み宅配水のネスレを目指す」と伊久間努社長、一時「富士山関連銘柄」として株価が動いたが、次は実力が評価される時期だろう。

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