IPO社長会見 GMOリサーチ(3695) アジアのスタンダード目指す

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細川慎一代表取締役社長

細川慎一代表取締役社長

GMOリサーチ(3695)が10月21日、マザーズに新規上場した。上場2日目に公開価格2,100円の2.3倍となる4,900円で初値を形成した。上場当日の記者会見で細川慎一代表取締役社長=写真=は次のように語った。

業界水準の確立目指す…当社はインターネットリサーチ市場で事業展開するが、リサーチ会社ではなく「プラットフォーム(基幹システム)提供」会社である点が大きな特徴だ。リサーチ市場ではこれまでクライアントに対して、リサーチ会社や広告代理店がおのおの独自の方法でデータ収集・分析を行ってきたが、当社はここに「業界標準」を導入。業務を標準化することで作業の非効率を排除した上に、データの汎用性向上により、例えばアドテクノロジーなど、リサーチ以外の業界プラットフォームとの連携も可能にした。「パネル」と呼ばれる調査対象者についても自社保有にとどまらず、既に多数の会員を擁するEC(電子商取引)サイトやインターネットメディアなどと連携することで多様性を持たせた。

アジア急成長に「先鞭(せんべん)」…調査対象は日本を含むアジア12カ国。国内外ともに「マーケットオブザーバー」という自社開発したプラットフォームを用いたサービス提供を行っており、日本最先端の仕組みをアジアでも利用可能とした。ただ、アジアではインターネットを用いたリサーチ市場がまだ立ち上がっておらず、他社に先んじてインフラを整えた当社の優位性は高い。例えば中国では現在、人海戦術によるリサーチが主力だが、人件費高騰でこの先は維持困難とみる。当社は上海、シンガポール、インド・デリーに子会社を置き、この先も現地ニーズを吸い上げながら「アジアのスタンダード」を目指してインフラ構築を進めていく。ちなみに日本のインターネットリサーチ市場は1,800億円程度で、アドホック(単発リサーチ)市場に占める割合は45%程度。一方で中国、その他アジアの割合はそれぞれ5%以下にとどまるが、中国は数年内に日本を超える規模に拡大するとみられ、その他アジアでも同様の急成長が期待されている。

国内シェア拡大で「両輪の成長」…アジアでの成長とともに、国内シェア拡大にも引き続き注力する。現在も国内ほぼすべてのリサーチ会社と取り引きはあるが、当社がシェア100%を占めるケースは多くない。100%に達すれば、売上高は現在の3-4倍増が見込まれる。先述したようにリサーチ以外の業界とのデータ連携を進めるなどして当社プラットフォームの付加価値を高め、業界標準としての地位確立を急ぐ。

<記者の目>
アジアでの急成長がイメージされる同社。売上高の海外比率は前期の10%から、今期は15%、来期は30%超といったスピード感を想定しているもよう。海外展開における現在の課題は「パネルの獲得」とのことだが、これがクリアできれば一気に化ける可能性も。アジアでは“敵ナシ”の様子の同社に、欧米企業のアジア参入の可能性を聞くと「既にインフラを整えた当社に対抗するよりも、アライアンス構築を求めるほうが現実的」(細川社長)とのこと。既にそのような陣形が構築されつつあるようだ。

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