櫻井英明のそこが聞きたい 日比野晃久 代表取締役社長 東京五輪は大きなビジネスチャンス

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コンサート活況で業績好調

日比野晃久代表取締役社長

日比野晃久
代表取締役社長

兜町カタリスト・櫻井英明氏が上場企業のトップを取材する「櫻井英明のそこが聞きたい」。第3回は、音響・映像機器のヒビノ(2469・JQ)。日比野晃久代表取締役社長に現状と今後の戦略を聞いた。

――業容からお聞きします。

日比野 当社は「音と映像のプレゼンテーター」というコンセプトの下、音響と映像の分野に販売とサービスの事業をマトリックス展開しています。プロ用音響機器・映像機器のシステム設計から設置・施工そしてLED(発光ダイオード)ディスプレイ・システムの開発・販売、コンサート音響およびイベント映像サービス、機材レンタルからオペレートまで、あらゆる分野においてリーダーシップをとり、数多くの実積を重ね、高い評価を得てきました。

コンサート市場は毎年市場規模が増加(現在2,300億円程度)、参加人口も4,000万人程度と増加基調です。映像関連も今後ますます進化多様化していくでしょう。アーティストが当社を選んでくれる理由の1つが徹底したプロ意識だと考えています。フェスで当社の仕事ぶりを見てその後のコンサートツアーで当社を指名されることも多いです。ただ機材をレンタルしているだけではないということです。当社のスタッフのプロとしての「現場主義」がクライアントの支持を強くしているのだと思います。

――業績は好調ですね。

日比野 9月24日に業績の上方修正をさせていただきました。9月中間期で売上高85.5億円(前回予想比0.6%増)、営業利益7.1億円(同42%増)、四半期純利益4.5億円(同60.7%増)の見通しです。足元では企業の設備投資が活性化しており、コンサート・イベント関連市場も依然として活況が続いていることから、計画を上回って推移しています。さらに、電波法改正による「特定ラジオマイク(ワイヤレスマイクロホンなど)の新周波数帯域への移行に伴う買い替え需要」の発生も当社グループにとって追い風となっており、売上高および利益にプラスの影響を及ぼしています。

――今後の成長戦略は。

日比野 2020年の東京五輪開催を大きなビジネスチャンスととらえています。昨年、照明機材取り扱い会社をグループ化しましたが、この会社の取り扱いブランドはロンドンオリンピックでの実績があります。しかも「2020年まで」ということではなく、2020年以降も一部施設はコンサート会場としての稼働が期待されています。現状ではコンサート会場は不足しており、数年先まで予約でいっぱいですから、コンサートビジネスの拡大に期待しています。また、カジノというテーマも当社にとって大きな戦略の1つです。施設への納品を初めとして、カジノ施設は更新も早いことから、運用のサポートなどで継続的に仕事が入ってくることが期待されます。今後はコンサート回り(既存事業)を一層補強し音と映像の基盤を軸に、照明分野にも広げていきたいと考えています。

その映像分野では、大型LEDディスプレイを世界で販売していく方向を目指しています。例えば東京モーターショーは世界各地で開催されていますし、大きなビジネスチャンスでしょう、また著名ブランドへの納入実績からこれをさらに深耕させていきたいと考えています。

【櫻井英明の取材メモ】
音響・映像・音楽・ライブの4つの要素が同社グループの競争力と現場力の源泉。市場環境の改善と未来への期待感は4Kテレビや8Kテレビ、そして東京五輪など目先的な時間軸を超えて存在している。「現場に密着した徹底したプロ意識が多くのアーティストからの支持を得ている。調べたことはないが、当社はたぶん世界一のレベル」と日比野社長。ここに五輪やカジノが加われば鬼に金棒の印象。しかも周波数移行で見込まれるワイヤレスマイクの買い替え特需の一部は同社の活動分野。証券コード「2469」は「富士ロック」と読み替えられるし「西向く」とも読める。「西向く富士ロック」は強いとみる。

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