トップインタビュー アーバネットコーポレーション 服部信治代表取締役社長 販売多様化で新成長局面へ

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海外投資家向け第1号案件も締結 開発エリア拡大、買取再販再始動

服部信治代表取締役社長

服部信治代表取締役社長

機能性とデザイン性に秀でたワンルームマンション開発・1棟販売を中核事業とするアーバネットコーポレーション(3242・JQ)が新たな成長ステージに入っている。販売手法の多様化を打ち出し海外投資家への直接分譲や東京23区駅10分以内に特化してきた開発エリアの拡大に着手した。服部信治代表取締役社長(写真)に戦略を聞いた。

――海外投資家向け投資用ワンルームマンション売買契約第1号が8月に発表されました。

服部 従来、当社の投資用ワンルームマンションの販売については、そのほとんどがマンション販売会社への卸売りだったが、販売手法の多様化政策のひとつとして、今春から準備していた自社開発物件「築地PJ」(来年2月竣工予定)について、台湾法人への直接売買契約が成立した。今回の物件は2015年6月期の売り上げ計上となるが、来2016年6月期以降も、台湾・シンガポール・香港など海外投資家への直接分譲を積極化させ、年1、2物件の販売を目指す。

――海外投資家の需要は強いようだ。

服部 中国の不動産市場に陰りがみられるなど中国人投資家にとって不安が台頭する中、利回りがいい日本の都心部物件へのニーズに関心が高まっている。現地ホテルでの物件説明会も盛況だ。今回の案件は、完成物件でないにも関わらず成約できたが、通常の海外投資家の不動産ビジネスでは考えられないことで、当社の開発物件の信用力が高いことを物語っている。

――これまで都心に絞ってきた開発エリアも拡大させている。

服部 従来は東京23区駅10分の開発エリアに特化してきたが、需要に供給が追いつかない状況もあり、既に例外的に開発している「武蔵小杉」に代表される川崎・横浜といった神奈川県東部を開発地域に加える。この地域は人口流入が著しく高層マンションが多数建設されるなど、投資用ワンルームマンション用地として有望なエリアとなっている。

――分譲ファミリーマンションの開発の平準化を目指す。

服部 リーマンショックを機に販売部門を新設し、ファミリーマンションの分譲および買取再販事業を開始した。現在分譲中のファミリーマンション「アジールコフレ新中野」は47戸中45戸はすでに成約済み。販売部門のコストを分散して、効率をあげることにより、企業利益により貢献できるよう平準化し、分譲物件開発の平準化を目指す。

――最後に、今期業績と事業環境について尋ねたい。

服部 今6月期は売上高110億円(前期比4.9%増)、営業利益12億5,000万円(同5.4%増)を発表しているが、全ての開発物件は既に売買契約が終了していることから、これらの数値は最低ラインの数字。開発物件の直接分譲等の販売施策の多様化で売上総利益率の向上も図っていく。事業環境としては、年金不安や相続税問題から実物資産である投資用マンションへの需要は追い風が増している。2020年の東京五輪開催は需要を刺激するプラス材料でもある。その反面にある、開発用地と物件の減少に対応するために、各種経営施策により対処していく。

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