トップインタビュー アンジェスMG HGF遺伝子治療薬「コラテジェン」 日米でWスタートへ

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期限付条件付承認制度下で国内第1号を目指す

山田英代表取締役社長

山田英代 表取締役社長

アンジェスMG(4563・東マ)の主力開発品であるHGF遺伝子治療薬「コラテジェン」がこの秋、上市に向けた新たな臨床局面を日本と米国で、ほぼ同時期にダブル・スタートすることになった。山田英代表取締役社長(写真)に今後の戦略を聞いた。

国内第1号 先にリリースしているが、重症虚血肢を対象とした「コラテジェン」について、8月7日の先進医療会議で「先進医療B制度」を活用した大阪大学医学部附属病院が主導となる医師主導型臨床研究について審査され了承された。これにより、大阪大学医学部附属病院が主導し、国内において医師主導型臨床研究を実施することが可能となった。早ければ9月中に患者への第1例目となる投与が始まる見込みだ。「先進医療B制度」は「未承認または適用外使用である医薬品または医療機器の使用を伴う技術」に対する制度。来年には、この臨床が終わり、再生医療等製品について、期限付き条件付きで早期に承認する制度を活用し、早ければ来年中にも2016年の上市を目指した承認申請を行いたい。この制度は昨年の薬事法改正の制度改革で成立し、今年の11月に施行予定のもので、承認されれば国内第1号となる可能性がある。

米でもほぼ同時スタート 米国では、臨床試験において最初の実施施設が7月にオープンしたが、第3四半期中の試験開始を予定している。今回の臨床試験は約500の症例を米国、欧州、南米で集める「コラテジェン」の有効性と安全性を確認する最終段階の試験。約4年の試験期間を経ているが、米国では最短で2017年に試験終了、2018年中に承認申請が可能。その後は欧州でも承認申請を目指す。米国だけで50万人以上の重症虚血肢患者がいると推定され、市場規模は5,000億円とも想定されており、当社にとって重要な成長ドライバーだ。

政策支援の下で 昨年の薬事法改正で、当社を含むバイオベンチャーにとっては、創薬ビジネスにチャンスが広がることになった。日米で新たな臨床段階に入る「コラテジェン」についても、やっとここまでこぎつけることができた、という感想を持っている。足元では、ムコ多糖症Ⅵ型の治療薬である「ナグラザイム」が伸びているが、開発資金の確保や将来の収益基盤に向けた策も考えていく。

【記者の視点】
アンジェスMGの株価は昨年来の底値圏である300円台前半に位置しており、ここからの下げは限定的と考えられる。むしろ、医薬関連の秋の学会シーズンに入ることからバイオ関連株に見直しが向くことが考えられ、本格的な株価の反騰は具体材料の出現待ちの状態といえそうだ。

語句説明
【コラテジェン】 一般名はベペルノミノゲンペルプラスミド。コラテジェンはアンジェスMGのプロジェクト名。虚血性疾患治療剤で、血管再生やリンパ管再生などの作用を持つ肝細胞増殖因子(HGF)遺伝子からなる遺伝子治療薬。

【先進医療B】 最新の医療技術の中で、安全性と治療効果を確保した上で、保険診療との併用(混合診療)が認められた制度を先進医療制度という。先進医療制度には先進医療AとBがあり、先進医療Bは「未承認または適用外使用である医薬品または医療機器の使用を伴う技術」に対する制度。

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