これが業績上方修正銘柄[後編] 通期増額の内容に注目 ガイシと田淵電は素早い株主還元

個別 概況


3月期決算企業の第1四半期(4-6月)決算発表がほぼ終了した。幅広い業種で業績の増額修正が発表されているが、こうしたことは同業種の企業間で収益格差が出始めている表れでもある。今回は、7月22日から8月1日の期間で第1四半期決算発表時に、第2四半期営業利益のみ、また第2四半期とともに通期営業利益を増額修正した主な企業をピックアップした。既に時間が経過していることから決算サプライズは株価に織り込まれていると考えられるが、再増額期待などを内包する銘柄は継続的に注目されてくるだろう。

田淵電機(6624) 日足

田淵電機(6624) 日足

■第2四半期上方修正の下値メド

第2四半期とともに通期予想を増額修正する場合、第2四半期の増額分を単純に通期業績予想に上乗せするケースが多い。今回、通期営業利益予想を増額したフジミインコーポ(5384)メック(4971)フタバ産業(7241)日本精工(6471)などがこの例に当たる。これらの企業は、第2四半期のみの増額発表の企業と比べ、下期(10-3月)収益の動向にも自信がある企業ととらえることができる。そのため、上方修正発表時には通期増額の企業株価のほうがポジティブ反応を示しやすい。また、その後の株価展開においても、増額修正直前の株価終値が、その後の下値めどとなるパターンがある。メックや日本精工は一時的に、増額修正前の株価を割り込む場面もあったが、その後、確実に切り返している。また、フジミインコーポとフタバ産業は、増額直前の株価をその後は割り込んでいない。いわば、増額直前株価が下値めどともとらえられる。

■増額修正の最強パターン

一方、通期の増額において第2四半期の引き上げ額にさらに、収益を上乗せして通期業績を増額する「強気見直し」のケースもある。日本ガイシ(5333)田淵電機(6624・2部)がこのパターンに当てはまり、発表直後の株価反応度も極めて高く、その後は増額前の株価を下回らずに推移する場合がほとんどだ。さらに、日本ガイシは期初予想から第2四半期末と期末にそれぞれ1円増配し年26円配当(前期比4円増配)、田淵電機は新設の第2四半期末5円配当に加え、記念株主優待(3,000円分クオカード)と株主還元策がセットで発表され、株価の腰付きはさらに強さを増す結果となる。しかし、ダイジェット(6138)のように、増額発表前に材料株として動意づいている場合は、利益確定売りが出やすくなるというケースもある。

■材料出尽くしのケースも

また、増額修正の発表がすべてその後の株価形成で好感材料となるわけではない。需給的な要因もあるが日本電産(6594)日本航空電子(6807)は、増額修正を発表しても市場の事前予想を下回ったととらえられ、短期的な材料出尽くし感から、株価は増額前の株価を下回って推移する場合もある。

しかし、いずれにせよ増額修正は株価形成にとって最大の材料であることに間違いはない。増額発表の中身の吟味は投資の上でも重要な手掛かりとなる。

主な3月期決算営業利益上方修正発表(7月22日-8月1日)
決算発表日 コード 銘 柄 発表日終値 第2四半期営業利益予想 通期営業利益予想
1日 4539 ケミファ 498 900→1,200
4914 高砂香 488 2,000→2,800
5384 FUJIMI 1,429 700→1,500 1,400→2,200
9413 テレ東HD 1,732 55→1,750 3,300→4,500
31日 1881 NIPPO 1,818 7,700→10,800 28,000→31,500
4186 東京応化 2,485 3,900→5,800
4971 メック 1,073 750→1,000 1,500→1,750
5333 ガイシ 2,478 22,000→27,500 48,000→56,000
6138 ダイジェト 251 200→340 430→710
6268 ナブテスコ 2,355 9,100→9,800
6624 田淵電 1,022 4,000→5,500 6,500→9,500
8154 加賀電子 1,299 600→1,200
30日 5476 高周波 105 ▲30→140
5815 沖電線 350 190→290
6952 カシオ 1,621 14,000→15,500
7224 新明和 912 2,500→4,000
7241 フタバ 533 400→1,800 3,800→5,200
7600 日MDM 364 100→300
29日 5857 アサヒHD 1,770 4,500→4,600 10,000→10,400
6471 日精工 1,371 33,000→41,000 75,000→83,000
8035 東エレク 6,610 18,000→24,500
28日 3778 さくら 515 250→330
25日 6755 富士通ゼ 1,236 5,500→8,000
24日 7299 フジオーゼ 464 200→450
23日 6594 日電産 6,706 45,000→50,000 100,000→105,000
6807 航空電子 2,443 7,500→9,800 18,000→20,300
22日 6297 鉱研工業 579 62→210

※単位:株価は円、営業利益は会社予想で百万円。▲は赤字。◇は第2四半期予想のみの上方修正、◆は第2四半期予想と通期予想を上方修正。

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