IPO社長会見 イグニス(3689) 億単位の人が使うスマホサービス目指す

IPO 個別 社長会見


銭●(せん・こん、●は金ヘンに昆)社長

銭●(せん・こん)社長
(●は金ヘンに昆)

スマートフォン(スマホ)向けアプリ開発を手掛けるイグニス(3689)が7月15日、マザーズに新規上場した。上場2日目に公開価格比4.4倍の8,400円で初値を形成した。上場当日の記者会見で同社の銭●(せん・こん、●は金ヘンに昆)社長=写真=は次のように語った。

これまでの足取り…2010年設立から5年目を迎えた。最初の2年はLINEのようなグループチャットサービスを手掛けていたが、LINEの成長を受けてその事業をやめ、さまざまなジャンルのアプリを無料提供する体制にシフト。それで業績が伸びている。

事業内容…現在、事業は大きく3つ。1つが無料ネイティブアプリ。「どこでもミラー」「家計簿!カンタン管理」などツール系、「妄想電話」などエンタメ系など多岐にわたるジャンルのアプリを提供しており、広告収益がメーン。LINEやツイッターなども、このジャンルに入る。僕らも“億単位の人が使うアプリ”を目指している。2つ目は、ガンホーやコロプラなどが手掛けているようなスマホゲーム。3つ目は漫画アプリ。「サラリーマン金太郎」「ろくでなしBLUES」などを毎日30分無料で読むことができ、続きをすぐに読みたい人は課金購入することで楽しむことができる。今までの電子書籍事業会社とまったく違うビジネスモデルで、「デジタルの漫画喫茶」のイメージ。

強み…人が育ち、そしてチームが伸びる組織を作る体制が一番の強み。「競争力=プロダクトを作るチームのレベル」と考えており、チームのレベルを上げるため、大量の成功体験を積む体制を敷いている。

基本方針…「小さく産んで大きく育てる」が基本方針。スマホのサービスはどんなに壮大な夢を持っていても、コアバリューがユーザーにささるか確認し、機能を拡充するのが今の時代に合っている。これは、LINEがまだないころにグループチャットサービスに狙いを付けて開発するも、LINEに後れを取って失敗した経験から学んだこと。

今後の成長戦略…未参入のジャンルがたくさんあり、すべてチャレンジしたい。具体的には、アラーム、体調管理といったヘルスケアなどで、こういったところにもれなく進出したい。一番大きいのは、人と人がつながるSNS。大きく跳ねるジャンルで、プロダクトを投入していきたい。スマホアプリはボタン1つで100カ国以上に配信できる業態。アプリの内容によって文化の違いを考え、海外にも出していくことも考えている。まずは日本の文化に近いアジア近隣諸国から攻めていく考え。拠点としては1年半前に米国に子会社を作った。

中期的な業績目標値について…売り上げはユーザーに提供する価値に対する後付けと思っているので、中長期的な業績数値についてあまり考えていないが、ユーザー数が億単位のサービスを提供すると、売上高数百億円から4ケタ億円になってくると思っている。今後、億単位のユーザーを狙った開発もする。数年である程度、結果が出てくると考えている。

上場初日の感想…予想以上に期待いただいている投資家が多いという印象を受けている。大変ありがたいが、同時に責任を感じている。億単位の人が使うサービスに向けて人の育成に全力で取り組んでいく。

上場の狙い…人材採用への好影響が1つ。億単位の人が使う大きいサービスを目指す中、上場していることでユーザーが安心感を覚えるのではと考えたことも1つ。

上場前株主にベンチャーキャピタル(VC)が存在しない理由…オフィスにこもり、ひたすらアプリを作っていればよかった。営業や大きな力を発揮するためVCなどに人をつないでもらう必要が、事業内容的に必要なかった。資金は銀行が貸してくれた。渋谷区の創業支援制度も活用させていただいた。

配当に対する考え方…成長性を担保しつつ経営したいと考えている。いろんなチャレンジに対して今は体力十分とはいえない。ある程度体力がついてきたら配当したい。

自身について…中国の北京出身で両親が中国人。小学2年生のころ、日本に来て、日本で義務教育から教育を受けてきた。それから向こうに帰ることはほとんどなかった。母は貿易会社をやっており、父はエンジニア。父は私が大学生の時に本国に帰り、起業した。

<記者の目>
銭社長は不思議な雰囲気の持ち主。若い(昭和57年生まれ)ということもあろうが、第一印象はいい意味で「透明感があり、水の如き若手経営者」。なお、6月上場のフリークアウト(6094・東マ)の佐藤裕介COO(最高執行責任者、昭和59年生まれ)はイグニスの社外取締役も務めており、両社は合弁会社「M.T.Burn」を設立。社名は「燃えるほどもうける」という意味を込め、フリークアウトの本田謙CEO(最高経営責任者)が付けた。イグニスの銭社長とフリークアウトの佐藤COOはかねて友だちで、事業についてよく語り合ったという。

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