建設株に中長期的構造変化 もう3倍?まだ3分の1? 三菱UFJレポートが話題

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清水建(1803) 週足

清水建(1803) 週足

「既に3倍高」と見なすか、それとも「まだ3分の1足らず」と見るべきなのか…。これは清水建設(1803)の話。26日は大林組(1802)鹿島(1812)などとともに建設株に高値更新が相次いで、市場の注目を集めたが、中でも近年の上昇率が突出しているのが清水建で、一昨年11月安値から既に「3.2倍高」。もっとも、四半世紀前のバブル期最高値2,510円と比較すれば、逆に「3.4分の1」になるというわけだ。

こうした見方を提起したのが、「『下から目線』と『上から目線』では景色が違う」と題する25日付三菱UFJモルガン・スタンレー証券レポート。執筆者の水谷敏也シニアアナリストといえば、アナリスト人気ランキングで連続トップに立ち、建設株相場における影響力も侮れない。

やはり清水建を例にとると、東京五輪決定に沸いた昨年9月高値を既に35%上回る。週足チャートだけ見ていると、目もくらむような高値圏に思えるが、この株に限らず、ゼネコンを「ピーク(上場来高値)を基点にすると依然として低位にある」と断じる同レポートの主張は、短期的視点の循環要因ではなく中長期的視点による構造変化が起こっている、というものだ。

清水建(1803) 月足

清水建(1803) 月足

まず、大手ゼネコン50社ベースの4月の建設工事受注高が前年比4.9%と過去最大の伸び率を記録。金額的にも、4月としては1992年以来22年ぶりの高水準となった。もちろん過当競争の“利益なき繁忙”では意味がないが、「ゼネコン業界は『マージン改善』に覚醒」しており、最近相次いでいる公共工事入札不調も「採算重視の姿勢を具現化したもの」との位置付け。ゼネコンと不動産会社のパワーバランスにも変化が生じており、従来の「建設冬の時代」から「建設春の時代」を迎えつつあるという。24日現在の建設セクター時価総額10兆9,900億円は東証1部全体の2.92%。三菱UFJ試算の過去20年平均値は3.2%とされ、こうした構造変化が本物だと仮定すれば、確かに一段の評価余地も想定されてくるところか。

同証券がアウトパフォームとするゼネコンは、大成建設(1801)、清水建設、長谷工コーポレーション(1808)の3銘柄。なお、5年ぶり自社株買い発表で一気に高値抜けしてきた戸田建設(1860)については唯一、アンダーパフォームとしている。

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