IPO社長会見 OATアグリオ(4979) 海外事業が利益増けん引

IPO 個別 社長会見


森明平社長

森明平社長

OATアグリオ(4979・2部)が6月25日、東証2部に新規上場した。初値は公募価格比6.3%安の3,935円だったが、26日は一転、一時4,625円まで買われる場面もあった。上場当日の記者会見で、同社の森明平社長=写真=は次のように語った。

MBO…当社は2010年、大塚化学のアグリテクノ事業部のMBO(経営者の参加する企業買収)によって設立し、今年4月21日に「大塚アグリテクノ」から現社名に変更した。グループを離れ、現在も取引関係もないが、大塚化学は当社株12万9,000株を保有しており、こうした関係は続けていきたい。

農薬使用は最小限に…「食糧増産技術(アグリテクノロジー)と真心で世界の人々に貢献します」が当社の企業理念。50年の世界人口は20億人増が予想されるが耕地面積拡大は難しく、単位面積当たりの収量増加を図る必要がある。当社の事業は、防除技術(農薬製品)、施肥灌水技術(肥料製品)、バイオスティミュラント(植物成長調整剤)が3本柱だ。殺虫剤、除草剤、殺ダニ剤など農薬のウエートが高いが、農薬は使い続ければ薬剤耐性ができる。作物に生物的な刺激を与えて免疫機能を高めるバイオスティミュラントで「作物を元気に育てる」ことに力を注いでおり、国内のほか27カ国で販売中。さらに14カ国での販売を計画している。農薬はむしろ、必要最小限にコントロールして使うよう呼びかけている。そうすることで、有効な薬剤を長く使えるようになり、開発コストの低減にもつなげられる。

新分野…公募増資による調達資金は主に有機肥料開発に充てる。食べ残して捨てられる食糧残渣(未利用食品)は先進国全体で膨大な量にのぼる。これを肥料として活用できれば、世の中のためになり、当社の利益にもつながる。実験プラントで、まだ結果は出ていないが、いい方向に向かっていることは確かだ。

来期展望…今12月期の11%増収64%経常増益見通しは、海外売上35%増を見込むことが背景。国内開発品を海外投入すると利益率が非常に高くなる。今期と同じペースでいくかどうかはともかく、来期も基本的には今期同様の状況が想定できそうだ。中期計画としては社内的に2020年売上高300億円(今期予想120億円)を掲げている。現在の利益率を維持できるかは、まだ分からないが、まずはベースを拡大したい。

1部指定…みずほキャピタルパートナーズは日本で数少ないMBOファンドだ。上場時の売り出しを経ても、エムシーピースリー投資事業有限責任組合の保有は、まだ半分残るが、今期中の売却はない。来年に入っても市場を混乱させるような売り方はしないだろう。これは想像だが、当社が最短距離で東証1部指定となれば、そのタイミングで売りを出すことはあるのではないか。

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