有望株徹底分析 鴻池運輸 業務請負と国際物流で成長

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創業から130年以上の歴史を持つ業務請負のパイオニア的存在、鴻池運輸(9025)が上場来高値更新基調。

社名に「運輸」と付くが、売上高の7割を業務請負が占める。顧客企業の拠点に専門スタッフを常駐させて多岐にわたる業務を複合的に請け負っており、例えば、製鉄所では「原料受入→製造工程→検査・梱包→保管・配送→沿岸荷役」を担い、飲料工場では「原料受入・調合→パッケージング(瓶詰・缶詰・樽詰)→保管・ピッキング→出荷・店舗配送」を担当する――といった具合。

鴻池運輸(9025) 週足

鴻池運輸(9025) 週足

顧客は鉄鋼や食品の大手企業を中心にさまざまな業種に及んでおり、顧客企業数は約3,500社に上る。安全・品質を最優先に考える姿勢から顧客企業からの信頼は厚く、緊密なパートナーシップに基づいた請負業務の範囲拡大を原動力に業績を伸ばしている。業務を通じて蓄積してきたノウハウも膨大で、同社なしでは製造できなくなっているものもあるほど。

また、成長分野である国際物流事業では陸・海・空の国際複合一貫輸送サービスを提供。特に2015年の域内関税撤廃で物流需要加速が予想されているASEAN(東南アジア諸国連合)のほか、インド地域の拠点整備で他社に先んじており、アジア―日本間のみならず、アジア域内の三国間貿易も含め、ビジネスチャンスをつかんでいる。

次世代中核事業の創出にも余念がない。会社側は、通販市場の拡大やSPA(製造型小売)業態の増加で海外工場から国内店舗までの一貫物流といった需要が伸びている「アパレル」、アジアやインドなどでの所得向上で需要拡大が読まれる「定温物流(冷凍冷蔵物流を含む)」のほか、「医療」「空港」の4分野を重点領域とし強化している。

医療分野では、病院経営の効率化に寄与する「ホスピタル・ロジスティックス」にも注力。訪日外国人の増加や国際空港発着枠拡大で利用者増加が見込まれる空港分野では、既に関西空港で旅客業務、航務業務、航空貨物取扱業務、機内清掃、ラウンジ業務、ラッピングサービスなどを請け負っている。今後は羽田空港での業務拡大、成田空港への進出を目指す。

今3月期は売上高2,437億円(前期比5%増)、経常利益94億円(同17%増)と2ケタ増益見通し。創業140周年の20年度に向けた経営基盤の強化策も実施し、グローバル展開も加速させている。

時価はいまだPER9倍台、PBR(株価純資産倍率)0.7倍。中間配当、期末配当ともに22円50銭を予定し、年間配当45円(前期実績は30円)。配当利回り2.5%という水準。株主還元にも前向きで、配当性向は前期19.5%、今期予想23.7%、来期は30%を目標としている。依然として割安感が強く、上値余地の大きい銘柄として注目される。

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