高値期日の暗雲、いち早く抜けるのは…

個別 概況


転機迫る「昨年11月高値銘柄」 昨秋パターンの再現なるか?

日経平均は再び4月末水準(1万4,301円)に抵触し、戦後初の「年初から5カ月連続安」さえ懸念される状況。彼我の水準差にもかかわらず、日々の米国株や為替動向に振り回される最近の東京市場は、さながら水鳥の羽音におびえるかの様相だが、その背景に挙げられるのは需給不安か。寄り前発表の財務省統計で、外国人は前週も1,539億円の売り越し。足元の「寄り付き外資系証券売買注文」も売り越し基調が続くが、それらと並んで、6月末の信用高値期日を意識する声も生じているようだ。

昨年11月以降に高値形成した主な銘柄群(単位:万株)
高値形成日 銘 柄 コード 前週末買い残 信用倍率
11/22 東 レ 3402 920.2 10.7倍
テルモ 4543 167.52 6.4倍
ダイキン 6367 126.24 3.0倍
いすゞ 7202 1151.3 9.1倍
野村 8604 10535.13 24.7倍
11/25 アドテスト 6857 418.34 4.4倍
ホンダ 7267 532.08 15.9倍
11/28 旭硝子 5201 783.8 13.1倍
11/29 京セラ 6971 122.19 3.9倍
キヤノン 7751 289.83 5.3倍
オリックス 8591 818.66 9.2倍
コナミ 9766 64.07 1.5倍
12/2 セガサミーHD 6460 331.96 11.5倍
三菱商 8058 568.4 7.8倍
12/3 新生銀 8303 1732.4 4.1倍
12/10 ディーエヌエー 2432 737.29 1.5倍
ユニチャム 8113 80.22 7.0倍
12/11 ニコン 7731 266.21 8.8倍

日経平均が高値形成したのは昨年12月末の大納会当日。個別ベースでも、その前後に高値を付けた銘柄は少なくない。ここで信用買いした向きの高値期日が到来するのが6月下旬。経験則的には、5カ月を過ぎたころから期日対応の反対売買が本格化するとみられているようだ。もちろん、外国人売買全盛の昨今、株式需給に占める信用取引の影響度合いは低下しているものの、6カ月の“期日サイクル”が市場関係者の関心を呼びやすいことは確かだろう。

例えば、昨年の買い残ピークは(日経平均高値から少し遅れた)5月末の3兆1,719億円。これが(6カ月目の)11月入りとともに短期間で4,000億円近い減少となり、同月下旬の2兆7,084億円でボトム形成となった。相前後して日経平均も11月から上放れに転じたことは示唆的とも言えるだろう。

直近の買い残は、1月ピークの3兆5,242億円に対して2兆9,848億円。昨秋パターンを当てはめるなら、まだしばらくは期日売りに上値を抑えられる展開が続き、玉整理進展とともに再度の大上放れ、を期待したいところ。6月には成長戦略が発表され、消費税増税の影響が経済指標面に現れてくれば、日銀追加緩和期待の再燃なども転機になり得るわけだ。

さて、一口に「高値期日」といっても、各銘柄一様に訪れるわけではない。大和証券は14日付のデイリーマーケットコメントで、個別銘柄ごとの高値形成時期に着目したリストを作成している。例えば、一足早く期日到来となる昨年11月高値銘柄は、「市場全体に比べて早期に上値が軽くなることが期待できる」。逆に「1月高値銘柄は7月まで注意が必要となる」ことが背景だ。

東レ(3402) 日足

東レ(3402) 日足

銘柄リストでは、平均出来高に対して直近の出来高が積み上がったままの銘柄を対象にしたものだが、このうち向こう1カ月以内に高値期日到来となるものは表の通り。

コナミとDeNAを除けば、まだ信用倍率の高い銘柄が多く(2市場残の金額ベースの信用倍率では7.7倍)、目先的な需給懸念は残るが、逆に言えば、仕込み好機との見方もできよう。ちなみに、先の大林組のように昨年9月10日に高値形成→調整を経て、ちょうど信用期日の3月10日に半年ぶり高値更新したような例もある。

表の中では、連続2ケタ増収益見通しの好決算発表済みの東レ(3402)に注目。

戻る