成長指向の表れ 「M&A」の買い手に注目

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健康コーポ 事業柱を拡充、独自育成の「ライザップ」も成長一途

先にゴールドマン・サックスは、(1)国内事業の合理化の必要性、(2)記録的高水準にある企業の手元資金、(3)依然割安な株式のバリュエーション――などを背景に、2014年はM&A(企業合併・買収)が回復し高水準で推移すると指摘。今年1月に施行された「産業競争力強化法」もM&Aの加速につながる。こうした中、M&A仲介事業を展開する日本M&Aセンター(2127)M&Aキャピタル(6080・東マ)が断続的に買われている。

M&Aキャピタル(6080) 日足

M&Aキャピタル(6080) 日足

鬼に金棒的M&A

さらにここからは、円高是正の一巡で今2015年3月期の企業業績は「プラス成長持続」「横ばい」「マイナス成長」と“まだら模様”になる可能性が高く、プラス成長を持続する企業に市場の関心が集まる展開が想定されていることもあり、M&Aの活用によって成長確度が一段と高まる企業にも目を配ってみたい。

特に注目されるのが、強者がより強くなるための“鬼に金棒”といえるM&A実施企業。最近では、米蒸留酒最大手ビーム社を買収したサントリーHD(非上場)が好例。

小型企業でもグッドディールが散見される。例えば、SaaS型ウェブ会議システム首位のブイキューブ(3681・東マ)。同社は3月下旬にパッケージ型会議システム首位のパイオニアソリューションズの子会社化を発表した。業界ナンバーワン同士で、顧客も重なっていないことから、相互補完とシナジー発揮が期待される。また、製薬会社や医療関係者向けサービス強化を狙い、エムスリー(2413)と合弁会社を設立するなど、「さらなる成長に向けて必要な手が打たれつつある印象。足元は先行投資期間であることを考慮すると、5月15日の第1四半期(1―3月)決算発表後、拾い場探しのスタンスがいいのではないか」(市場関係者)。

健康コーポに穴株妙味

穴株は、「健康」をキーワードにM&Aを活用して事業柱を増やしている健康コーポレーション(2928・札ア)だろう。

8年前の上場時は「豆乳クッキー事業者」というイメージが強かったが、事業柱の拡充により、今や売上高200億円・経常利益10億円企業に様変わり。ゲーム、フィットネス、ボウリングを柱とするゲオディノス(4650・JQ)のTOB(株式公開買い付け)も今年1月に完了し、さらに連結子会社が増えることになる。

独自に育成してきた事業も伸び盛りの時を迎えている。代表例が、完全個室のパーソナルジム「ライザップ」だ。個室で、専属のトレーナーからマンツーマンで指導を受けられるとあって、人目を忍んで肉体改造を試みる人々から高く支持されている。

ライザップは昨年から全国展開をスタートし、店舗数は現在27店。直近の月商は4億―5億円とも。出店過程にあるため、前2014年3月期のライザップ事業売り上げは50億―60億円というわけではないようだが、出店余地はまだまだ大きく、今3月期はさらなる成長が読まれる。注目の3月期決算の発表予定日は5月12日だ。

クラスター(4240) 日足

クラスター(4240) 日足

ここまで成長してなぜ、札証単独上場のままなのか気になるところだが、「札証から東証に上場するには新規上場に準じた手続きが必要で、その間は思うようにM&Aをできないと聞いている。当社は市場替えよりも事業拡大を優先させる考え。このため札証に残り、M&Aも引き続き機動的に行っていきたい」(健康コーポレーション・IR担当)としている。

クラスターは被買収候補?

このほか、クラスターテクノロジー(4240・JQ)に着目する向きも。市場からは「微細加工技術を基に材料製造から加工まで一貫生産でき、しかも無借金。時価総額は4億円未満の軽量ぶり。被買収候補と目されているようだ」との声が聞かれる。思惑充満で強腰相場を演じている。

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