話題銘柄をテクニカルで斬る 大手生保の投資決断の裏には、年内に「日経平均株価1万8000円」達成への確信が!

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昨年末、あるいは今年年初のエコノミストなど市場関係者(プロ)の日経平均株価の年内の安値・高値予想のコンセンサスは、安値が年前半で1万3,500円、高値は年後半で1万8,000円程度でした。今は1万4,500円前後ですから、年内の高値1万8,000円までの上昇余地は、まだ24.1%もあります。だから、日本銀行は4月もせっせと日経平均連動型ETF(上場投資信託)を購入し続けているのでしょう。となれば、日経インデックスETFやブル型やプットオプションの投資信託がお薦めで、NISA(少額投資非課税制度)口座の投資にはもってこいでしょう。

同じく、米国のS&P500の年内高値のコンセンサスは1,950ポイント程度に対して、足元は既に1,865ポイントと、もう4.5%程度しか値上がりが見込めないことになります。米国株への投資魅力は薄らぎました。また、FTSEオール・ワールド欧州先進国も年内高値目標は210ポイント程度で、足元は186ポイントと12.9%程度の上昇余地がありますが、ウクライナ情勢の悪化が懸念され、リスクがあります。

一方、為替見通しはどうでしょうか。大手シンクタンクの見方を総括すると、為替は2,014年年内1ドル=99円から118円とのレンジ相場が、4月現在でも大勢のようです。現状、1ドル=102円前後で、まだ16円も円安、上値余地があります。日経平均株価とドル円の相関度が高いとの事実を考慮すれば、1ドル=118円となったときの日経平均株価は、どの程度でしょうか。1万8,000円との予想も実現できるように思えます。

先週、国内大手生保9社の14年度資産運用方針を見ると、比較的に金利の高い外債投資を増やす傾向が明らかになりました。とりわけ、為替リスクはあるが、より高い利回りを狙い「オープン外債」への投資を増やす計画のようです。この動きは反面、今後の日本国債の価格下落を警戒し始めたとも考えられます。また、運用ポートフォリオの中で低金利の日本国債のウエートを減らし、日本株のウエートを増やす動きも一部生保に見られました。

「臆病な投資家」の代表格である「ザ・セイホ」が日本株の投資を増やすのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の投資方針の見直しと共通しています。具体的な投資分野は、環境、エネルギー、海外インフラ関連とみられ、当たり前ですが、過去の大気汚染や水質汚染など深刻な公害問題に苦しみ、打開策を見出した日本企業が強い分野です。日経平均株価に上昇余地がありますから、生保が新規資金で注目する環境分野への投資がベストでしょう。

さて、環境関連の銘柄は機械セクターを中心として非常に多くあります。ここでは、過去の「環境保全」をテーマとした株式相場で物色された銘柄を参考にして、都市ゴミ・産業廃棄物処理プラントのタクマ(6013)、下水・し尿処理プラントの月島機械(6332)、二酸化炭素分離・固定化装置の日立製作所(6501)、大気汚染の排煙脱硫脱硝装置、集塵機の日立造船(7004)の4銘柄で考察します。公害問題ですから、1960年代から70年代の株価データまでさかのぼりたいところですが、実務上、過去10年で限定します。当然ながら、日足、週足ではデータ本数が過大となりますので、月足(2014年4月は25日時点)のラインチャートと12カ月、24カ月の移動平均線、12カ月移動平均線と月足との乖離(かいり)率で分析します。

タクマ(6013) 乖離率はプラスに転じる公算大。時価買い

6013月足は、2006年1月の高値999円から、09年1月の安値130円まで長期下降相場を形成したが、130円を大底にして反転、長期上昇相場に転じた。14年1月にはダブルトップの高値933円を付けて反落、月足は上昇する12カ月線を3月に割り込み下落したが、4月に反発、12カ月線に接近した。07年以降の月足と12カ月との乖離率の波を見ると、周期的に乖離率のピークとボトムを形成している。14年3月にマイナス乖離のボトムを形成、今後、乖離率はプラスに転じる公算大。時価買い。目標値は長期目標となるが12カ月線(837円)とのプラス60%乖離を想定、1,340円とします。

月島機械(6332) 3分の2戻しから一段高を想定、時価買い

6332月足は、2006年3月の高値1,570円を大天井とした長期下降相場が、09年2月の安値456円を大底にして反転、長期上昇相場に転じている。タクマの月足の動きと類似した足取りで、14年4月には1,196円まで値戻しした。これは下落幅1,114円(1,570―456)のほぼ半値戻しの水準で戻り相場に一巡感。ただ、月足と12カ月線とのプラス乖離率に過熱感はなく、上昇する12カ月線を下値支持線とする上昇相場は、下げ幅の3分の2戻し(1,199円)を既にザラバでは達成、今後、一段高を目指すもよう。時価買い。目標値は節目の1,300円。

日立造船(7004) マイナス乖離率は08年来の大きさ

7004月足は、分かりやすい動き。2013年4月の高値810円と12月の高値805円で変形ダブルトップを形成し上値抵抗を確認。これは07年6月の高値1,210円から08年11月の安値390円までの下落幅820円のほぼ半値戻し水準でもある。月足は、14年年初から下げ相場に転じ、4月に457円の安値を付け、下値固めの動き。月足と12カ月線とのマイナス乖離率は08年以来の大きさに達しており、反発は必至(ただし月足)。時価買い。目標値は12カ月線水準の700円。

日立(6501) 12カ月線割れは押し目買いで臨みたい

6501月足は、2009年11月の安値234円を大底として長期上昇相場を形成している。14年2月の高値803円は08年来の高値水準に達した。ただ、800円はネックラインでもあり、その高値警戒から調整に入った。月足は4月も軟調で、上昇する12カ月線(714円)にほぼ1年ぶりに接近しつつある(ザラバでは割り込んだ)。ただ、12カ月線のベクトルは右肩上がりの上昇を示しており、タイムラグのダマシを考慮しても、12カ月線割れは押し目買いで臨みたいところ。目標値は06年4月の高値847円。

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