今こそ脚光!!「バフェット型」長期投資

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外国人のニーズも高まる みずほ証券が11銘柄選定

市場筋の間では、「長期投資は“塩漬け”の別名」などと言い習わされてきた。短期の利食いに失敗した向きが、結果的に長期投資を強いられ、かえって傷口を広げる例に事欠かないためだ。

もっとも、「貯蓄から投資へ」が声高に叫ばれ、NISA(少額投資非課税制度)もスタートした昨今、少しずつ状況が変わりつつあるようだ。ミリ秒単位の超高速取引が隆盛を極め、人の手による日計り売買の難易度が増した現状のアンチテーゼという側面もあるのだろう。

長期投資は「さわかみファンド」の専売特許というわけではない。基本は手数料稼業である証券会社からも、今年に入って「長期投資」をうたったレポートの発行が目立ち始めた。主なところでは、みずほ証券の1月22日付「今こそ勧めたい日本株の長期投資」。副題に「2020年に日経平均は約30,000円へ上昇予想」とある、70ページに及ぶ力の入ったレポートだ。

比較的最近では、シティグループ証券も4月9日付で「長期投資に関する一考察」と題した日本株投資戦略レポートを発行した。「新規に日本株への投資を開始するロングオンリーの投資家から長期的(5-10年)に持ち続けることができる日本企業はどこかという質問を受ける」ことが背景とされる。

さて、「長期投資の元祖」として世界的に有名なのが、世界最大の投資会社・バークシャー・ハサウェイを率いる“オマハの賢人”ウォーレン・バフェット氏。「理想とする投資期間は永遠」と言い切る筋金入りの長期投資家だ。バフェット氏がバークシャー社の経営権を取得した1965年から昨年末まで、同社の1株当たり純資産は約6,000倍に拡大したとされる(同期間のS&P500は約100倍)。

先に“長期投資推奨”レポートの発行を紹介した、みずほ証券は最近、21日付で「今注目されるバフェット型投資」を発行し、注目を集めている。「外国人投資家の日本株への弱気が増える中で、誰もが悲観的な時こそ買い場であるというバフェット氏の格言が生きる」としたものだ。

米国株投資主体のバフェット氏は、残念ながら日本の上場企業に大規模な投資をしたことがないが(非上場のタンガロイ=旧東芝タンガロイ=には一部投資)、バフェット氏の投資基準に適合した「バフェット氏の好みそうな日本株」11銘柄(表参照)をスクリーニングしている。(1)税引き前利益7,500万ドル以上、(2)持続的収益力、(3)負債が小さく高ROE(自己資本利益率)、(4)良い経営陣、(5)分かりやすい事業――などを考慮したものだ。

以前、「日経ヴェリタス」も2度、同様の趣旨で銘柄選定を行ったが、顔触れはガラリと変わり、重複したのは、同誌が約2年半前に挙げたUSS(4732)のみ。

バフェット氏の選定基準に定性的な要素が強いためで、みずほ証券アナリストの眼力が問われるところでもあるが、ともあれ表の銘柄群には注目しておきたい。分かりやすいところで、PERやPBR(株価純資産倍率)の面からも割安感が感じられるのは、大塚HD(4578)積水化学工業(4204)あたり。PERでは、TOTO(5332)にも評価余地がありそう。中でも、大きく売られた積水化学なら、長期投資の観点で仕込むにも好タイミングと言えそう。ちなみに決算発表は来週28日後場立会中の予定だ。

著名な米国長期投資家「ウォーレン・バフェット氏が好みそうな日本株」(みずほ証券選定)
銘 柄 コード 外国人保有比率 自己資本比率 PBR PER ROE
カルビー 2229 42.7% 70.2% 3.8倍 28.7倍 13.2%
J T 2914 35.8% 46.9% 3.6倍 14.8倍 24.2%
積水化 4204 35.5% 46.4% 1.3倍 13.4倍 10.0%
大塚H 4578 22.6% 73.7% 1.3倍 10.4倍 12.1%
関西ペ 4613 32.1% 54.6% 2.0倍 19.6倍 10.4%
USS 4732 38.6% 77.1% 3.9倍 23.6倍 16.4%
小林製薬 4967 25.5% 73.1% 2.3倍 20.7倍 11.0%
TOTO 5332 23.3% 50.6% 2.5倍 12.6倍 19.8%
リンナイ 5947 29.1% 65.7% 2.6倍 22.1倍 11.6%
小糸製 7276 26.0% 45.4% 1.7倍 16.6倍 10.0%
サンドラッグ 9989 37.6% 60.0% 2.8倍 17.0倍 16.4%
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