将来の大国候補「インド」の経済改革を見据える インフラ関連など注目

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下院総選挙の投票が始まったインドでは、最大野党インド人民党(BJP)率いる国民民主連合(NDA)の一段の優勢が伝えられている(5月16日一斉開票)。総選挙後は、NDA連立政権となり、グジャラート州首相のモディ氏が連邦政府の首相に就任するシナリオが、現時点では最有力とみられている。

BJPは、経済成長重視の姿勢を強く示し、選挙マニフェストでは、(1)政策決定の改善/停滞打破、(2)外資の積極的誘致(総合小売りを除く全セクター)、(3)税制の合理化・簡素化、(4)銀行改革、(5)財政規律の徹底――を通じた高成長復活を打ち出している。

JR東海(9022) 週足

JR東海(9022) 週足

インフラ投資には具体的に言及しており、産業地帯に高速鉄道を整備する「ダイヤモンド四角形プロジェクト」、全国的な都市ガス網や光ファイバー網の整備などを挙げている。また、都市基盤整備も重点策で、全国に新たに100都市を開発すると宣言。

現在、同国では総額1,000億米ドル規模のインフラプロジェクトが停滞しており、企業も設備投資を控えている。新政権の発足により、投資の復活が期待され、特にNDAが過半数の議席を獲得すれば、一段の投資が加速するとみられている。

こうした中、インド株式市場は、既に政権交代を織り込んで上昇している。実際にモディ政権が誕生し、基盤を固め、新たな政策を打ち出せば、市場は一段高となると期待されている。セクター別では、投資の恩恵を受ける資本財、公益、エネルギーが有望と考えられている。

また、最近のインド株式市場の上昇は、マクロ経済の改善、インド準備銀行(RBI)への信認の高まりも背景にある。企業収益も堅調で、調査筋は1株当たり利益は2014年度の+8.8%から15年度は+17.5%の伸びを予想している。

13年にインドへ進出した日系企業は前年比146社増の1,072社で、わずか5年で倍増した。デリーとムンバイの間に貨物専用鉄道(円借款4,500億円)を敷設し、周辺に工業団地、物流基地、発電所、道路、港湾、住居、商業施設などのインフラを民間投資主体で整備する日印共同の地域開発構想「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」などが進出を後押しした。

関連株としては、昨年5月に日印両政府がムンバイ=アーメダバード間高速鉄道計画について共同事業化調査の覚書に調印した経緯から、新幹線の建設・運営でJR東海(9022)。同国は電力不足が深刻化で、日印両国は原子力協定の早期妥結を目指していることから東芝(6502)

また、1985年から同国でODA(政府開発援助)案件に注力し、2011年に現地法人を設立するなど他社に先行している清水建設(1803)。昨年2月にインド準備銀行からノンバンクライセンスを取得、ムンバイに現地法人を設立し、分割払いサービス、加盟店ネットワークの拡大など積極的に展開しているイオンフィナンシャル(8570)などが挙げられる。

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